5月10日、中国政府が3兆ドル規模の同国債券市場を海外投資家に対してこれまで以上に開放するよう取り組みを進めているが、人民元は計画を進める上での障害となっている。写真は人民元紙幣。北京で2011年3月撮影(2017年 ロイター/Jason Lee)

[香港 10日 ロイター] - 中国政府が3兆ドル規模の同国債券市場を海外投資家に対してこれまで以上に開放するよう取り組みを進めている。海外からの資金調達に加え、下落に苦しむ通貨人民元の下支えも狙う。ただ、人民元は計画を進める上での障害ともなっている。

 3兆3000億ドルに上る中国の発行済み債券市場のうち、海外勢が保有するのは2%に満たない。海外への通貨持ち出しの難しさや人民元の最近の弱さがその背景として指摘される。

 中国国内の格付け機関は、2兆1000億ドルに上る中国の社債市場について、その大半が投資適格だとしているが、投資家は正確にリスクを判断できるのかどうか疑いのまなざしを向けている側面もある。

 中国債券の利回りはここ2年で最高水準にあり、10年国債に関して言えば、米国債との利回り格差がここ8ヵ月で最大の水準。この状態は、まさに中国債券市場が持つ魅力とリスクの高さとを示していると言える。

 資産運用会社ストラットン・ストリートのパートナーであり最高投資責任者(CIO)を務めるアンディー・シーマン氏は「もし投資家が希望するなら明日にでも中国債券への投資を増やすことは可能だ。でも、残念ながらそんなことにはならない。人民元を欲しいと思う投資家はいないから、勧めるのが極めて難しい」と話す。