また会議では、しがらみにとらわれず、自由な発言ができる雰囲気にしようと心がけた。前例主義、年功序列、当たり障りのない建前論では、何も生まれない。

 ましてや、権威主義や高圧的な態度など、もってのほかだ。それもあって、初会合以降、役所も呼ばず、当事者の参加に絞った。

負けグセや現状認識の甘さを、いかに排除するか

――いろいろな苦労があったと思いますが、最大のポイントは。

 まず、意識改革。「どうせダメ」「やっても無駄」など、負けグセが染みついていた。地元のお得意さんから不満を言われなれば何もしない。自己満足の世界に浸っている。まさに「ゆで蛙現象」だ。

 現状認識も甘い。地元相手の商売経験しかないと、桃やぶどうなど、地元で人気のものが全国に通用すると思ってしまう。逆に、上がり三ヵ寺など昔からそこにあるものには、当たり前すぎて価値を見出せない。要するに、視野が狭い。

 肝心なのは、外から見てどうか、だ。全国区の考えが伝わらず、佐々木さんも苦労したと思う。その認識ギャップを埋めるのは、自分の役割だと思っていた。

 勝ち方を学び、勝つまでやり抜き、勝ちグセをつけていく必要がある。今回のプロジェクトは、そのための装置だったともいえる。

――ようやく光明が見えてきました。今回の成果は何でしょうか。