5月11日、政府系ファンド(SWF)の間で、ハイテク新興企業への投資を拡大したりシリコンバレーに事務所を開設する動きが広がりつつある。写真は、サウジアラビアの公共投資基金が35億ドルを投じた配車サービス大手ウーバーのロゴ。台北で4月撮影(2017年 ロイター/Tyrone Siu)

[ロンドン 11日 ロイター] - 政府系ファンド(SWF)の間で、ハイテク新興企業への投資を拡大したりシリコンバレーに事務所を開設する動きが広がりつつある。狙いは、将来の「ユニコーン企業」(評価額10億ドル超の未公開企業)の先物買いだ。

 SWFとしては、早い段階で出資した新興企業がその後急成長すれば、相当大きなリターンを得ることができる。ただそれだけではなく、さまざまなデジタル・ディスラプション(既存の枠組み破壊)によって成熟市場の投資先が脅威にさらされた場合のリスク回避にもつながる。まさにユニコーン企業の1つであるエアビーアンドビーが大手ホテルチェーンの土台を揺さぶっているのは、そうした事例に当てはまる。

 調査会社ピッチブックがまとめたデータに基づけば、SWFの米国における新興企業投資は昨年、計12件、総額は124億ドルで、2012年の4件、2億0200万ドルから大幅に増えた。スペインのIEビジネススクールの研究機関ソブリン・ウェルス・ラボによると、世界全体ではSWFによる昨年の新興企業投資は42件、約162億ドルだった。

 SWFの新興企業投資拡大を象徴するのは、ソフトバンクとサウジアラビアの公共投資基金(PIF)がハイテク投資のために共同で1000億ドル規模の「ビジョン・ファンド」を設立したことだ。PIFは、配車サービス大手ウーバーに35億ドルを投じている。昨年は中国のアリババ傘下の決済サービス会社アント・ファイナンシャルもSWFから出資を受け入れた。