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出口治明の提言:日本の優先順位
【第11回】 2011年6月21日
著者・コラム紹介バックナンバー
出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]

復興のワイルドカードとして
東北3県を徴税権も付与した特区に!

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 復興構想会議(五百旗頭真議長)は、今月の25日に、東日本大震災に対する復興のグランドデザイン(第1次提言案)を正式決定して、菅首相に答申する運びとなっている。その提言案のポイントは、新聞報道(2011.6.19朝日朝刊)によれば、次のようになっている模様だ。

1.復興財源は臨時増税措置として基幹税を中心に多角的に検討。臨時増税では地方の復興財源も確保する

2.区域や期間を限定し、規制や権限の特例、手続きの簡素化など支援措置を一元的かつ迅速に行える特区的手法を活用する

3.再生可能な自然エネルギーの導入を促進。被災地の東北地方で利用拡大を図り、特に原発事故のあった福島を「先駆けの地」とする

4.原子力災害に絞った復興再生のための協議の場の設置検討

5.復興の主体は住民に最も身近な市町村が基本

「特区的手法の活用」ではもの足りない

 一読した限りでは、報道された提言案は、復興の大きな方向やコンセプションを指し示すものとして見れば、概ね妥当であるようにも思われる。筆者がこのコラム(2011.5.10)で指摘したこの国の3つの構造問題(少子高齢化、財政の悪化、競争力の強化)の解決の方向と、提言案のベクトルが同じような方向を示しているように読めないわけでもない。

 ただし、この提言案は、全体の表現があまりにも抽象的であって、グランドデザインとしては今ひとつもの足りないと感じるのは筆者だけだろうか。これでは、仮にこの提言通りに復興を進めるとしても、解釈の余地がとてつもなく大きくなり、利害関係者の間で細部の協議を重ねるうちに、当初の意図した改革がなし崩し的に骨抜きにされてしまう懸念なしとしない。

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出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]

1948年、三重県美杉村生まれ。上野高校、京都大学法学部を卒業。1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て同社を退職。その後、東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師などを務める。2006年にネットライフ企画株式会社設立、代表取締役就任。2008年に生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険株式会社に社名を変更、同社代表取締役社長に就任。2013年6月24日より現職。主な著書に『百年たっても後悔しない仕事のやり方』『生命保険はだれのものか』『直球勝負の会社』(以上、ダイヤモンド社)、『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『「思考軸」をつくれ』(英治出版)、『ライフネット生命社長の常識破りの思考法』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。

ライフネット生命HP

 


出口治明の提言:日本の優先順位

東日本大地震による被害は未曾有のものであり、日本はいま戦後最大の試練を迎えている。被災した人の生活、原発事故への対応、電力不足への対応……。これら社会全体としてやるべき課題は山積だ。この状況下で、いま何を優先すべきか。ライフネット生命の会長兼CEOであり、卓越した国際的視野と歴史観をもつ出口治明氏が、いま日本が抱える問題の本質とその解決策を語る。

「出口治明の提言:日本の優先順位」

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