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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

ポスト3.11の住宅市場~震災の影響と3つの「2008年問題」――森田京平・バークレイズ・キャピタル証券 ディレクター/チーフエコノミスト

島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト],高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト],森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト],熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]
【第27回】 2011年6月22日
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震災後の民間住宅投資(1)
全国ベースでは意外と底堅い

 東日本大震災後の景気を展望する際、民間住宅投資がどれだけ落ち込むかが心配された。ところが、直近4月分までの住宅関連指標を見る限り、意外と住宅投資が底堅く推移していることがわかる。

 まず全国ベースでの住宅投資を見てみよう。新設住宅着工は震災前の2月が年率87.2万戸であったが、3月同80.7万戸、4月79.8万戸と減少した(図表1参照)。2月から3月にかけて▲7.5%と大きく減ったのに対し、4月は1.1%の減少に止まった。4月の減少幅は想定よりも小さく、むしろ底堅さがうかがえる。

 今後の住宅着工を展望する上で、着工に先行する受注統計が注目される。実はこの受注が震災後も実に底堅く推移している。大手50社ベースの住宅建設工事受注(季節調整は当社)は、3月に前月比+80.3%、4月に+11.3%と増加した。

 もともと月ごとの振れが大きい統計であることから、3ヵ月移動平均を取ると、その堅調さがよりはっきりとする。なお、ここでの住宅建設工事受注には、民間だけでなく公共機関(国、独立行政法人など)からの受注も含まれる。

 しかし、たとえば直近4月分では受注額の98%が民間であり、民間住宅投資に結び付けて解釈しても問題はないであろう。

震災後の民間住宅投資(2)
震災地域では持家を中心に大きく減少

 全国ベースでは底堅さが見て取れるが、被災地域に限ると住宅投資は大きく落ち込んでいる。岩手県、宮城県、福島県、茨城県の4県を代表的な被災地域としよう。同地域の住宅着工は、震災前の2月が年率4.4万戸であったが、3月同4.0万戸、4月3.2万戸と下げ足を速めた(図表2参照)。

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島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト]

しまもと・こうじ/1990年、東京大学卒業、日本興業銀行入社。調査部門で金利分析や経済予測を担当。2000年からBNPパリバ証券で投資調査本部長兼チーフストラテジストとして金融市場予測を担う。日本経済新聞社の債券アナリスト・エコノミスト人気調査の債券部門では06、08年に1位。金融庁の金融市場戦略チームや金融税制研究会、行政刷新会議の事業仕分けなどに参加。

高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。

森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]

もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総研入社。98年~2000年米ブラウン大学大学院に留学し、経済学修士号を取得。その後、英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所経済調査部を経て、08年バークレイズ・キャピタル証券入社。日本経済および金融・財政政策の分析・予測を担当。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)など。2010年7月より、参議院予算委員会内に設置された「財政再建に向けた中長期展望に関する研究会」の委員を務めている。

 

熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]

くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

「経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層」

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