5月15日、韓国の文在寅新大統領(写真)は9年ぶりに左派政権を率いることになるが、国会においては少数与党であり、左派色の濃い政策変更は当面実行できそうにない。写真はソウルで10日撮影(2017年 ロイター/Jung Yeon-Je)

[ソウル 15日 ロイター] - 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)新大統領は9年ぶりに左派政権を率いることになるが、国会においては少数与党であり、左派色の濃い政策変更は当面実行できそうにない。

 文氏は、在韓米軍の「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備について国会に見直しを求めると公約してきた。しかし今、国会で採決を行えば、合計で過半数に達する保守派と中道派が配備を改めて承認するだろう。さらに重大な点は、こうした提案を強行すれば文氏と野党側の亀裂が一段と深まり、雇用創出など喫緊の目標達成に必要な協力が得られなくなることだ。

 このため専門家によると、政権発足からの100日間は、より幅広い政治勢力から合意が得やすい経済改革の推進に重点が置かれる公算が大きい。

 東亜大学のカン・ドンワン教授(政治学)は、文氏が他の政党に「ギブ・アンド・テーク」の姿勢で臨まない限り、議会が大きく混乱する公算が大きいとの見方を示した。

 文氏が掲げた公約のうち、THAAD見直しのほかに北朝鮮との関係冷え込みで昨年閉鎖された開城工業団地の再開には強い批判がある。一方、雇用創出や最低賃金引き上げ、財閥改革、政府高官の汚職に関する捜査機関設立などには抵抗が少ない。

 東国大学のキム・ジュンソク教授(政治学)は「文氏はまず初めに、意見が割れているTHAAD配備問題ではなく、政党間で一定の合意がある問題に取り組まなければならない」と指摘した。