なかでも日産にとって16年度が中期経営計画「日産パワー88」の最終年度であり、その数値に注目が集まった。「日産パワー88」はいかにもゴーン流のわかりやすい中期経営計画目標として売上高営業利益8%、グローバル販売シェア8%と策定されていた。これに対し、営業利益率は6.3%。グローバル販売は562万6000台でシェア6.1%といずれも未達に終わったのである。

 今回の「日産パワー88」の完了を振り返り、西川社長は「6年間の中期経営計画の間、大きな変化の中でプラスを維持し、規模の拡大で一定の準備ができた。収益性では一定の条件下では8%が達成できる。次の6年間で到達したい」と総括した。

仏政府によるルノーへの支配力が
今後、どう影響するか?

 ルノー日産連合がスタートして20年近く経過する。自動車のグローバルアライアンスの成功例とされるが、フランスでは5月にマクロン大統領が誕生し、仏政府によるルノーへの支配力強化に対するリスクがこの連合軍にどう影響するか。また、手負いの三菱自を連合に加えて「1000万台クラブ」の仲間入りと3社のトップに君臨するゴーン会長の野望が数合わせでとどまることなく実現できるか。

 三菱自の本格復活にはゴーン会長も「三菱自の自主性、経営は自分たちで」と言うが、今のところ「日産主導」で社内改革が進められているのが実情だ。三菱自としては、1960年代半ばからの自動車の資本自由化の流れを受け、米クライスラーとの資本提携時に「不平等条約」の打開で苦労したことがあり、2000年のリコール隠し発覚後は独ダイムラーの支配下となり、送り込まれた経営陣と溝があった経緯もある。この教訓から日産主導の改革だけを推し進めても、三菱自の生え抜き社員の士気は上がらないはずだ。

 日産自体も今期から西川体制による新中期経営計画がスタートし、改めてコミットメント経営にチャレンジする。ルノー・日産・三菱自のトップに立つゴーン流の真価が問われることになるだろう。

(佃モビリティ総研代表 佃 義夫)