「嫌われる勇気」を持つ意味を勘違いしてはいけない

他者の評価をまったく気にせず、嫌われることを恐れない――。そんな勇気を持つことが「嫌われる勇気」だと認識している人がいると聞く。確かに、「嫌われる勇気」が必要なことがある。しかし、「嫌われる勇気」のあり方を間違えるととんでもないことになる。(株式会社識学代表取締役社長、組織コンサルタント 安藤広大)

人と人は他者評価の「利益」でつながる
自己評価だけでは成り立たない

「他者から評価され、嫌われることを恐れない勇気を持てば、悩みから解放される」――。

 もし、これが世間で言われている「嫌われる勇気」だとしたら、そして、「他者からの評価を気にしなくていい」と思う人が増えてしまうとしたら、さらに「自己評価さえ良ければいい」と思う人が増えてしまうとしたら、本当に危険だ。

 なぜならば、「他者評価」からでしか人は利益を獲得できないからだ。

 それを言うと、

「自分の中で満足できること、それも私にとっては利益です。なので、他者の評価は要りません」

 あるいは

「私は自分らしく生きることを最優先しているので、人の評価は気にしません。自己評価が大切です」

 という答えが返ってくることがある。