だが、動物たちの受難は終わることなく、これからも続くのだろう。動物好きには胸が締めつけられるような事件は絶えることがないのである。

 たとえば、先月5日、名古屋市熱田区の商店店主から“猫が死んでおり、防犯カメラを見たら人に蹴られているところが映っていた”との通報が入り、愛知県警熱田署が調べたところ2匹の猫の死骸が見つかり、防犯カメラの映像から南区に住む39歳男性・会社員を特定、逮捕した(男は後に書類送検)。

 2匹の猫は飼い猫ではなかったが、この商店店主がエサを与えていたのだそうだ(一部報道によると、事件翌日、犯行現場に現れた男を取り押さえたのもこの店主とのこと)。殺された2匹の猫は血を吐き、顔も変形していたという。男は猫を踏んで死なせたことを認めているが、その理由がこうだ。

「競馬で負けた憂さ晴らしにやった」

 エサをもらっていたということは、猫たちは人間に慣れていて、だから踏みつけられるまで逃げなかったのだろうが、この男は猫を踏みつけることに罪悪感を持たなかったのか。小動物をいたぶり、殺すことに頓着しない人間がいることが私には驚き以外の何ものでもないのだが、動物愛護法では、愛護動物をみだりに殺したり傷つけた場合、2年以下の懲役または200万円以下の罰金と定められている。2匹の猫の命は、いったいいくらに換算されるのだろう。

 男が競馬に負けるちょうど一ヵ月前、アラブ首長国連邦(UAE)でも、猫を生きたまま犬のエサにしたばかりか、その模様を撮影した映像をSNSに投稿した男がドバイ警察に逮捕されている。

 男は、2匹のロットワイラー犬をけしかけて、怯えた様子の猫を襲わせたという。ロットワイラー犬というのはもともとは闘犬で、どう猛なドーベルマンは、ロットワイラー犬をジャーマンシェパードなどとかけあわせて生まれた犬なのだそうだ。SNSではこの屈強な犬に猫が噛みつかれている映像が投稿されたというが、男が猫を襲わせた理由というのが、自分が飼っていた鳩と鶏が猫に食べられたからだそうだ。実に愚かしい。

 UAEでは、動物虐待の罪で有罪判決が下されると収監され、思い罰金刑も科されるとのことだ。動物愛護の精神が厳罰に比例するのだとすれば、日本のそれはかなり甘いことになるが、UAEでは動物虐待は頻繁にあることで、つい先日も後ろ足を縛られた犬が生きたまま皮を剥がれるという凄惨な事件が起きたばかりだという。イスラム教は犬と豚を“不浄のもの”としているが、しかし無為に虐待してはならぬと説いているのだけど。