もう1つ例を紹介すると、つい先日お会いした顧客管理ソフトの営業マンはお粗末なカバンを持って登場した。取っ手はねじれ、角も擦れ、縫い目もほつれていて、かなり使いこまれているようだ。しかも、カタログや書類が詰め込まれておりパンパンの状態になっている。

 そのカバンから「こちらですが」と資料を出してくれたのだが、その資料を見る前から期待できない感じがした。結局、その後、この人とお会いすることはなかった。

 この営業マンもまた持ち物でチャンスを失ったのだ。

「いい物」を身につければ
モチベーションが上がる

 実は私も人のことは言えない。私がハウスメーカーのダメ営業マンだった時代を振り返れば、お客様との商談にカバンも持たず、紙袋に資料を入れて臨んでいたこともある。スーツは1年以上クリーニングにも出さず、ネクタイは100円ショップで買ったものを締めていた。それだけがすべての原因ではないが、成績は最低レベルだった。

 その後、高いスーツやカバンを購入することに抵抗があったものの、思い切って購入し身につけてみると効果は絶大だった。良質な物を身につけたり持ったりした瞬間にセルフイメージが上がるのを感じた。

 実際やってみて《なるほど、だからトップ営業マンが持ち物に投資しているのだな》と理解したのだ。

 トップ営業マンのトークや話術をすぐに習得するのは難しい。しかし、持ち物を真似する事は今すぐできる。粗品でもらったようなボールペンを使っている、クタクタなカバンを使っているという人はちょっと高めの新しいものに変える。スーツもクリーニングに出し、ネクタイもちょっとだけ良質なものに変えてみることだ。

 今すぐすべてを買い変えろ、とは言わない。それでも、まずは騙されたと思って一つだけでも「いい物」に変えてほしい。想像以上にモチベーションが上がる自分に驚くだろう。