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吉田恒のデータが語る為替の法則

2010年の注目点は米利上げとインフレ。
波乱シナリオなら60~70円への暴落も!

吉田 恒
【第60回】 2009年12月30日
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 今回は米ドル/円について、2010年の予想を考えてみたいと思います。

 2010年の米ドル/円を考える上でのキーワードは「米利上げ」と「インフレ」の2つだと思っています。

 この2つのキーワードに沿う形で、3月前後にかけて80円、9月前後に95円、そして年末にかけて「最後のドル安」といったシナリオになるのではないかと私は基本的には考えています。

 2010年の為替を予想する上で、まずカギになりそうなのは米利上げがいつになるかということです。

 米利上げ前後の米ドルには一定のパターンがあります。このため、米利上げがいつになるか次第で、米ドルの予想も違ってくるわけです。

 その米利上げ前後の米ドルの値動きパターンとは、利上げ前に米ドル高が進み、実際に利上げが始まると米ドル安になるというものです。

 最近の2回の米利上げ局面は、2004年4月、1999年6月から始まりましたが、米ドルは利上げ開始前の3~6ヵ月で10~15%上昇し、実際に利上げが始まると、しばらく下落が続きました。

 では、肝心の米利上げはいつ始まるのでしょうか?

 今のところ年後半、早くて7~9月期との見方が基本のようです。そうであれば、「利上げ前の米ドル高」は、2~3月頃から始まるというのが基本シナリオになるでしょう。

米ドル/円が84円を割れるリスクあり!

 逆にいえば、それまでまだ本格的な米ドル高・円安への動きが始まらないなら、2009年11月末に記録した84円台を更新する米ドル安・円高リスクが残っている可能性も考えておく必要があるでしょう。

 当面の米ドル安値が84円台で終わったのか、それとも80円前後まで拡大するのかは、「利上げ前の米ドル高」に伴う2010年のドル高値メドを左右することにもなります。

 前述したように、「利上げ前の米ドル高」は3~6ヵ月で10~15%というのが一つの目安です。

 また、2007年6月から続いてきた今回の円高基調における調整の米ドル反発は…

 ・2008年3月 95円 → 2008年8月 110円
 ・2009年1月 87円 → 2009年4月 101円

 といった具合に15円程度となってきました。

米ドル/円 月足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 月足)

 以上を参考にすれば、「利上げ前の米ドル高」で決まる2010年の米ドル高値が100円に届くかどうかは、2010年早々の米ドル安が84円台を更新するかどうかによって決まることになるでしょう。

 ところで、順調に年後半に米利上げ開始となっても、過去のパターンからすると実際に米政策金利が引き上げられる中で米ドルは逆に下がる確率が高いようです。

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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