[東京 22日 ロイター] - SUBARU(スバル)<7270.T>の吉永泰之社長はロイターとのインタビューで、同社の研究開発費は過去最高となる2018年3月期(今期)の1340億円(計画ベース)がピークとの見通しを明らかにした。

電気自動車(EV)など成長領域への注力は続けるが、開発人員は現状規模を維持し、19年3月期(来期)以降は今期以上には増やさない方針だ。

今期の研究開発費は自動運転技術や新車開発への投資拡大により、前期に比べて200億円弱積み増す。21年に投入予定のEVの開発費用が今期後半から本格化することもあり、来期も1300億円程度を計画している。

吉永社長は、現時点で「死ぬほど考えなければいけないのは21年、22年にスバルがどうありたいか、そのためにどう投資するかだ」と述べ、「将来を切り拓くための費用はケチってはいけない」と指摘。ただ、研究開発費は今期が「天(天井)だと思う」とし、「おそらく1200億円台で十分」と語った。

同社の研究開発費はここ数年、上昇を続けている。約10年前は500億円台で、その後は400億―600億円前後で推移していた。14年3月期以降は毎年約200億円ほど増え、16年3月期に1000億円の大台を突破した。

研究開発費の売上高比率は16年3月期に3%を超え、今期は3.9%。ただ、今後については「おそらく4%台にはならない」と説明。外注を増やせば別だが、研究開発費の半分弱は人件費で、人員を「今以上どんどん大きくするという考え方はない」と述べた。開発人員はここ数年で約1.7倍に増えたが、今後は採用を抑えるという。

今期売上高予想は前期比2.8%増の3兆4200億円と6年連続で過去最高だが、稼ぎ頭の米国市場は減速気味で、自動車各社のインセンティブ(販売奨励金)競争も過熱している。スバルも同国での販売促進費用を増やす。研究開発費のほか、原材料価格上昇なども響き、今期営業利益は同0.2%減の4100億円の見込み。しかし、同社長は値上げよりも、商品企画を磨いて1台あたり利益を上げる考えを示した。

自動車産業では現在、自動運転やAI(人工知能)、コネクテッドカー(インターネットにつながる車)などでの開発競争が激化。環境規制対応でEVなどの電動化車両開発にも迫られており、各社の開発投資は膨らんでいる。吉永社長は9日の決算会見で、スバルとしては開発領域に優先順位をつけ、「電動化」を最優先すると強調していた。

(白木真紀、田実直美)