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為替市場透視眼鏡

ドル円は今後1、2年が底値
新興国は2、3年後高値波乱

田中泰輔
2011年6月29日
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 ドル円相場は米景気サイクルに沿った変動が今も美しい。ドルは経常赤字を計上する世界最大の借金国通貨、円は経常黒字を海外に貸す債権国通貨。債務国通貨ドルが債権国通貨円より持続的に強いのは、米国へ日本など債権国マネーの流入が円滑に進む局面だ。

 ドル高は米景気の加速→成熟局面に起こりやすい。米利上げを数回経て日米金利差がドル有利になり、株式も業績相場で強く、海外マネーが潤沢に対米流入しドルは強くなる。日本では好景気、株高でリスク投資意欲が強まり、マネーは相対的に金利が高い海外に流出して円安になる。逆に、日米経済が軟化→下降局面に転じて国際マネーの流れが滞ると、債務国通貨ドルは資金繰りに窮して安くなる。日本は景気悪化で対外マネー供給を滞らせ、既存投資を回収・ヘッジして円高を招きやすい。このドル安・円高は日米景気の回復局面いっぱい続くパターンがある。

 2011、12年は景気回復下でも米利上げには至らないだろう。この局面のドル円相場は2年物程度の米中期金利と方向を一にしがちだ。2年物金利は1年程度後の景気や金利の市場予想を織り込んで映すシグナルである。ただしドル円は米金利の軟化にきちんと反応する一方、金利強含みの場面は投機やヘッジなどの短期マネーの動き次第で上下に振れやすい。

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FX、外貨投資家のニーズに応えた為替投資家向けコラム。執筆には第一線のエコノミストを迎え、為替相場の動向を分析、今後の展望を予測する。

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