昼食はその日の気分で▽弁当▽カラオケでランチ▽外食でそば、など選べる。施設内で調理も。写真の大國敬一さん(55)は、カラオケを希望し、長渕剛や尾崎豊を歌った。不動産会社社員だったが、脳卒中による高次脳機能障害の後遺症が残り要介護に。DAYS BLG!来所直後は精神的に不安定で、ヒゲは伸び放題、口数も少なく、まるで別人のようだったが、施設に来ることで地域の子どもたちに親しまれ笑顔を取り戻した

「仕事」だから、当然ながら“労働の対価”(謝礼)を受け取る。担当した仕事の種類によって金額は異なるが、例えば洗車担当者は多い時で月5000円程度という。

 施設管理者の前田隆行さんは、「仕事」にこだわる理由をこう説明する。

「いま、介護サービスを受けている年代の特に男性は企業で活躍され、現代日本をつくってきたという自負を持っておられます。このため、介護が必要になっても『もう一度、働きたい』『社会の役に立ちたい』と思われています。そのお気持ちをカタチにしながら、社会とつながり、毎日の生活に充実感と満足感を持って帰宅していただくことを大切にしています」

 だが、「介護サービスを受けている人が『働ける』はずがない」と思う人は多い。まして、認知症の人は「何もわからない、何もできない」と見られがちだ。

「仕事」をするうちに
無表情だった人が笑顔に!

 このように、DAYS BLG!では開所当初から、介護サービスに「仕事」を取り入れている。

 当時、介護施設は国の介護保険制度の給付を受けながら運営しているため、要介護者である利用者が仕事をしたり、それによる対価を得たりすることは疑問視されてきた。だが、前田さんは「社会の一員として働きたい」という利用者の声を届けるため、何度も何度も厚生労働省に出向いて制度の改善を訴えた。

 その結果、2011年から介護保険制度でサービスを利用する人が仕事をすること、および、活動による謝礼を受け取ることが認められるようになった(※1)。

 前田さんは地域とつながりを持てるよう、地元企業に提案を持ち込んだ。特に、「大手自動車メーカーの地元販売店で始めることができれば、全国でも同じような取り組みが広がっていくのではないか」と考え、積極的に通った。