[ツーク(スイス)22日 ロイター] - スイスの資源大手グレンコア<GLEN.L>のトニー・ヘイワード会長は22日、ツークの同社本社で記者団に対し、電気自動車(EV)の予想より急速な本格展開によって石油需要のピークが従来の見通しよりも早い時期に到来することについて、低コストで生産している石油輸出国機構(OPEC)加盟国が受ける影響は比較的軽微にとどまるとの見方を示した。

ヘイワード会長は「歴史的には石油需要は2040年以降も増大するとみられていた」と指摘。「電気自動車の進展により、(石油需要のピークは)前倒しされる公算が非常に大きくなった」と語り、「それは多分、石油業界には朗報ではなく、鉱山業界には朗報だ」と述べた。

OPECに供給過剰への対応力が依然としてあるかどうかとの質問を受け、ヘイワード氏は生産コストの割高な深海油田やカナダのタールサンド事業が締め出されると予想。「究極的にはOPECが最もコストが低く、市場で存続できる余地を確保できる」と主張した。

グレンコアは、EVの普及が鉱物市場に対して従来の見通しよりもずっと早い段階から影響を及ぼすと予想。こうした展開は、銅やコバルトなどを供給する同社に恩恵をもたらすが、石油会社には逆風となる。

同社のアイバン・グラゼンバーグ最高経営責任者(CEO)は、自社のポートフォリオに石油が少なかったことが好ましい要因になると指摘。仮に世界の自動車市場に占めるEVの比率が2035年までに90─95%に達すれば、銅の需要は現在の年間2300万トン程度から2倍近くに拡大する可能性があると見込んだ。