[東京 23日 ロイター] - 米レイセオン<RTN.N>と三菱電機<6503.T>、米ロッキード・マーチン<LMT.N>と富士通<6702.T>の2陣営がそれぞれ、弾道ミサイル防衛の要であるイージスシステムのレーダーの共同開発を検討していることがわかった。両陣営とも日本の高性能半導体を使い、探知性能を向上させることが狙い。

日米の複数の政府・業界関係者が明らかにした。日本が建造中のイージス艦、さらに導入を検討中の陸上配備型イージスも、いずれかのレーダーを積む可能性がある。

レイセオン、ロッキードとも、三菱電機と富士通がそれぞれ手掛ける半導体に注目している。青色発光ダイオードの材料として知られる窒化ガリウム(GaN)を素子に使った高性能の半導体で、消費電力の低さと高い出力が特徴。レーダーを小型化しつつ、探知距離や識別能力を大幅に引き上げることができる。

防空戦闘を得意とし、弾道ミサイル防衛の中核装備であるイージス艦は、上空警戒と低空警戒の2種類のレーダーを積む。米海軍は2018年から配備を始める上空用の新型レーダーに、レイセオンが自社製GaNを使って開発した「SPY6」を採用した。

しかし、低空用は従来のものを使い続ける見込みで、レイセオンはこれをGaNの技術に定評のある三菱電機と開発したい考え。一方、米軍の次期イージスレーダーの受注を逃したロッキードも、富士通のGaNを使って自社のレーダーの性能を高めようとしている。

北朝鮮は初めて高度2000キロ超に達した5月14日の中距離弾に続き、21日には固体燃料を使った別の中距離弾を移動式発射台から打つなど、ミサイル開発を急ピッチで進めている。ミサイル防衛を強化中の日本は7隻目のイージス艦を2020年に、8隻目を21年に就役させる予定で、共同開発が間に合えば、2隻はどちらかの陣営のレーダーを積む可能性がある。

さらに導入を検討している陸上配備型の「イージス・アショア」にも、搭載する可能性がある。関係者によると、日本は遅くとも23年度までにイージス・アショアの配備を終えることを視野に入れている。

防衛装備品の共同開発は、日米とも政府が主導することになる。関係者によると、両国政府とも2陣営の協議に関心を寄せているが、現時点で関与はしていない。

日本の防衛省はロイターの取材に「企業活動に関する事柄であり、コメントする立場にない」と回答した。東京の米国大使館を通して米政府にもコメントを求めたが、現時点で得られていない。

レイセオン、三菱電機、ロッキードは、コメントを控えるとした。富士通のコメントは得られていない。

日米は現在、イージスシステムから発射する迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」を共同開発中。レーダーの共同開発が実現すれば、両国が弾道ミサイル防衛技術の強化に取り組む2つ目の案件となる。

(久保信博、ティム・ケリー 編集:田巻一彦)