日本興亜損害保険社長 二宮雅也<br />震災で追加のコスト削減必要<br />損保ジャパンとの合併はないPhoto by Kazutoshi Sumitomo

──東日本大震災では甚大な被害が発生。支払い対応で苦労した。

 われわれ保険会社の使命は、被災者に1日でも早く保険金を支払うことだ。過去の保険金支払い漏れ・不払いによって顧客からの信頼を失ってしまったことから、今回は全社を挙げて迅速な支払いに取り組んだ。

 損害調査は受付ベースで90%以上が調査完了できた。保険会社は、地域を守る役割を持っていることをあらためて確認できた。

──保険金の支払いにより、2010年度は当期純損益が64億円の赤字に転落した。

 住宅を対象とした家計地震保険については危険準備金を取り崩すため損失は発生しない。企業向けの地震保険による一定の損失はあるものの、再保険等の手当てを行っているので、それほど大きな影響はないだろう。

 とはいえ、14年度に「修正連結利益」1600億円という目標の達成はこのままでは難しい。聖域を設けないで、コスト削減などの追加対策を検討したい。