[ニューヨーク 22日 ロイター] - S&P総合500種の電気通信サービス指数<.SPLRCL>は、構成銘柄数が14社から4社まで急減し、第3・四半期中には合併のために3社になる可能性がある。再編や事業多角化が進んだ米通信セクターは、1996年に導入された同指数ではもはや投資家が実態を把握することができなくなっており、算出会社のS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは見直しを検討している。

S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスのマネジングディレクター、デービッド・ブリッツァー氏は「通信セクターは進化した。われわれは、こうした移り変わりが市場にどのような影響を及ぼしているか話し合っている。また近く投資家とも協議する予定だ」と話した。

1996年を振り返ると、AT&T<T.N>は主に長距離電話事業を展開。ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ.N>は当時ベル・アトランティックという社名で、収益のほとんどを地域電話事業で稼ぎ出していた。携帯電話は多くの人にとってまだぜいたく品で、企業はインターネットの最も有効な使い道を模索している段階だった。

それからあっという間に時が流れ、現在の通信会社はテレビやホームセキュリティーなど従来とは畑違いのサービスに必死になって進出している。これらの企業の主たる収益源が、非常に競争の激しい携帯電話やネット関連事業となっているためだ。

各社が進める合併により、伝統的な通信事業が全収入に占める割合はますます低下していくだろう。業界最大手AT&Tの場合は、メディア大手タイム・ワーナー<TWX.N>に目を向けている。センチュリーリンク<CTL.N>は第3・四半期中にレベル3<LVLT.N>を買収する計画で、実現すると電気通信サービス指数の銘柄が3社に減ってしまう。

電気通信サービス指数は、他の10セクターの指数と比べてあまりに構成銘柄が少ないので、専門の上場投資信託(ETF)は存在しない。これほどわずかの種類の株しか保有しないファンドは、規制面の基準を満たせないからだ。実際にある通信株ETFは、S&Pがカバーしていないより小規模の企業や一部ハイテク企業を採用している。

S&P総合500種の時価総額における電気通信サービスの割合は現在わずか2%で、ピークの1999年に記録した9%を大きく下回る。

ただし通信株指数の再構築はS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスにとって、またMSCI<MSCI.N>にとってもそれほどすっきりした話ではない。

対応策として考えられるのは、現在の指数にケーブルテレビ(CATV)会社などを加えるか、逆に通信会社を一般消費財やハイテク、公益など他のセクターに吸収する道だ。

S&P総合500種において通信セクターの最大の競争相手は、CATV大手コムキャスト<CMCSA.O>、チャーター・コミュニケーションズ<CHTR.O>や動画配信大手ネットフリックス<NFLX.O>で、これらは一般消費財指数に入っている。

もっともCATV会社は規制面の扱いが異なり、通信会社にないさまざまなサービスを提供しており、新指数に同居する条件が必ずしも整わないかもしれない。またAT&Tやベライゾンは時価総額が巨大なため、一般消費財指数に組み込むとなれば同セクターの姿を激変させることになる。

通信が高配当銘柄として知られている面に着目し、ビューモント・キャピタル・マネジメントのマネジングパートナー、デービッド・ハビランド氏などの一部投資家は、公益指数に入れるべきと主張している。

S&Pのブリッツァー氏によると、これまでのところ投資家から電気通信サービス指数廃止を強く求める声は聞かれない。だが、同指数の存在意義を疑問視する向きは多い。

通信株投資においてテクノロジー・セレクト・セクターSPDRファンド<XLK.P>を利用しているハビランド氏は電気通信サービス指数について「たった4社ではセクターの体をなしていない。3社で構成されるセクターの価値は極めて疑わしい」と話した。

(Sinead Carew、Trevor Hunnicutt記者)