あやしい。けれど、気になる。それが占いというものである。

 三菱UFJリサーチ&コンサルティング副主任研究員の有元裕美子氏が書いた『スピリチュアル市場の研究』(東洋経済新報社)によると、1兆円規模と言われるスピリチュアル市場のなかで「占い」は急成長している分野らしい。

 正確な統計がつかめない市場にあって、その規模がかろうじて推計できるのは、1600億円に上るヨガ市場と約200億円に上る携帯電話の占いサイト市場だけだという。

 そこで働く占い師とはどんな人物なのか。

 この道25年の占い師がいると聞き、会いに行った。

女性たちの心のよりどころ
占い師の知られざる“パワーの源”とは?

「どーぞ、どーそ、てきとーにやってね」

 くだけた調子で鑑定ルームに迎え入れられる。ペンネームを、上田麻結さんという。

求人誌きっかけでこの道へ、鑑定数は1万人以上!<br />ベテラン占い師のミステリアスな食生活上田さんのある日のランチ。ベーグルと手作りの野菜ジュース。甘みは薄く、かなり酸っぱい

「夜ふかしだから、朝・昼は粗食で、夜はもっぱら外食。起きたらまず、この野菜ジュースと玄米ご飯でしょ、たまに、炊き込みごはんにすることもあるけど。あ、このベーグル? こんなしゃれたもんは、たまにしか食べないかな。それと、野菜ジュースの中身はこれね」

 渡されたメモには、キャベツ、人参、ほうれん草、大豆、ハチミツ、ヨーグルト、リンゴ酢と記してある。同じ材料をミキサーにかけ、すでに5年近く、毎朝飲んでいる。

 ただし、この日はたまたま大豆を切らしてしまい、代わりに枝豆を入れたという。

 早速、味見。