5月24日、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の中核銀行、三菱東京UFJ銀行が突然のトップ交代となった。後任には同期の三毛兼承副頭取が就く。三毛氏はこれまでトップ候補に挙がったことはなく手腕は未知数。このため、強いけん引力でグループを率いる平野信行MUFG社長(写真)の求心力が一段と高まるとみられる。2015年11月撮影(2017年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 24日 ロイター] - 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)<8306.T>の中核銀行、三菱東京UFJ銀行が突然のトップ交代となった。昨年4月に就任したばかりの小山田隆頭取が体調不良を理由に退任。後任には同期の三毛兼承副頭取が就く。三毛氏はこれまでトップ候補に挙がったことはなく手腕は未知数。このため、強いけん引力でグループを率いる平野信行MUFG社長の求心力が一段と高まるとみられる。

任期途中で無念の退任

 小山田頭取は昨年4月に頭取に就任。企画部の若手時代から「将来の頭取候補」と目され、満を持してトップに就いた。「1年が経過し、これから小山田色が色濃く出てくるだろう」(行内中堅幹部)という期待が出ていた中での突然の辞任となった。

 小山田氏が昨年の就任会見で打ち出したのは「日本をマザーマーケットとして、圧倒的に顧客から支持される世界屈指の商業銀行」。この目標は「小山田頭取の思いを受け継いで全身全霊でやりたい」と語った三毛次期頭取に引き継がれることになる。

高まる平野社長の求心力

「平野社長の求心力が高まるのは間違いないだろう」――。あるライバル行役員はこう分析する。三毛次期頭取は、今回、指名・ガバナンス委員会で複数候補から選ばれたものの、昨年の頭取選考過程では3人の候補者には入っていなかった。社内でも「トップ候補としては見られていなかった」(幹部)という。

 平野社長は昨年、兼務していた頭取職を小山田氏に譲り、持ち株会社社長としてグループ全般の経営指揮に専念した。5月中旬には、長年の懸案だった三菱UFJ信託銀行と三菱東京UFJ銀に分かれていた法人融資業務の統合を打ち出したのに加え、三菱東京UFJ銀行の名称変更も実現にこぎ着けた。いずれもグループ内に生じる抵抗を振り切っての改革で、平野社長の剛腕ぶりを改めて示した。

 三菱UFJのトップは、任期4年が不文律。来年には小山田氏が社長を兼務し、グループトップに就く人事も予想されていたが、今回の人事により、平野体制が異例の長期政権になる可能性も出てきた。

(布施太郎 編集:石田仁志)