正田連載

 格安SIMを活用している筆者にとって格安SIMはなくてはならない存在。もう3大キャリアの通信費に戻れない。

 ただし、一部で安かろう悪かろう的な報道がなされていることが残念でならない。格安SIMは3台キャリアのサービスよりも確かに格安ではあるが、それは単純に劣るものではなく別のサービスなのだ。今回は月額料金以外の格安SIMならではのサービスをまとめてみた。

2年契約はなく、データSIMならいつ解約しても違約金なし

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トップページに国民生活センターが発表したMVNOに関するトラブルを受けて、注意喚起を表示する格安SIMもある。正しく理解して有効に活用してもらいたい

 費用負担が少なくなるという話になってしまうのだが、格安SIMでは、データ通信サービスでは短期解約の違約金や解除料なし、音声通話付きサービスでは、開通から半年~1年間は解約のための解除料がかかるというものが一般的だ。

 これは2年契約とは違い、たとえば1年などという定められた期間を経過すれば、あとはいつ解約しても特別な費用がかかることはないということ。

 たとえば、格安SIM大手のひとつ「OCN モバイル ONE」では、開通から7ヵ月目以降ならば解約時の費用負担はなし。6ヵ月目以内でも8000円だ。

 「IIJmio」のように12ヵ月間に渡って段階的に減額していくところや、MNPで他社に転出せず純粋な解約ならば解除料がかからない「mineo」や「イオンモバイル」のようなところもある。

 2年契約のようなものがあるおかげで、必要なくなったときに回線を止めることができなかったり、違約金を恐れて、不満を持ったまま使い続けるということがあまりないのが格安SIMのメリットだ。

 なお、ここで言う格安SIMとは、IIJmio、OCN モバイル ONE、楽天モバイルなどを示し、格安SIMに近い価格をアピールしている「Y!mobile」「UQ mobile」といった実質的に3大キャリアのセカンドブランドとなっているものは別。

 Y!mobileについては、3大キャリアと同様、2年契約などの長期契約が前提の月額料金をアピールされていることがある。契約期間の自由さを重視する場合、契約期間やキャンペーン適用による流動的な条件などは事前にしっかり確認しておいたほうがいいだろう。

お店に並ぶ必要がない

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スマートフォン画面からも申し込みが可能。来店不要。手元に身分証やクレジットカードがあればカフェでちゃちゃっと加入申し込みだってできる

 格安SIMのデメリットとして、店頭サポートが手薄という点が指摘されている。あたかも店頭サポートがないことが致命的という風に語られることもあるが、これは逆に見れば、店頭に行く必要がないということである。

 たとえば、キャリア専売店の混雑は誰もが経験しているところだと思うが、予約していたり朝1番に店に行ったとしても、手続自体に時間がかかるため、最低でも1時間程度の時間を作って店に行く必要がある。

 先客があれば、待ち時間はさらに多くなる。また、入院中など事情があって外に出られない場合は誰が頼んで委任状の用意などが必要となる。

 ところが格安SIMのほとんどはウェブサイトですべての手続きが済んでしまう。身分証明書やカードがあれば、利用の申し込みもネットで手続きが可能。

 そして、解約もネットですべて済んでしまう。一部で電話手続きが必要というところもあるが、わざわざ出向いたり、店頭で長時間待たされるということはない。外出できない人でもインターネットに接続されたスマートフォンやパソコンが使える環境にあれば、手続きが可能だ。

 そのかわり、申し込みからSIMが届くまで数日がかかる。それでも、自分の拘束時間がなく、忙しい人にとってこれが最大のメリットだ。

動画配信のサービスのパケットをカウントしないなど
通信容量節約の仕組みあり

 格安SIMの中には、特徴を出すために独自のサービスを提供するところもある。たとえば、特定のウェブサービスのパケット通信量はノーカウントするなどのサービスだ。

 「LINEモバイル」は、月間1GBのプランではLINEアプリの通話とトークが使い放題という特典がある。また、月間3~10GBのプランでは、LINEだけでなくTwitter、Facebook、Instagramのデータ消費をカウントしない。

 FREETELではLINE、WeChat、WhatsAppと、契約容量やプランに応じてFacebook、Messenger、Twitter、Instagram、AppStore、Pokemon GOの主なサービスが無料となる。

 動画配信サービスでは、「BIGLOBE SIM」が「エンタメフリーオプション」を用意している。YouTube、AbemaTVといった動画配信のほか、Google Play Music、Apple Music、Spotify、AWA、radiko.jpも6GB以上のプランに月額480~980円のエンタメフリーオプションを申し込むことでデータ量がカウントされなくなる。

 格安SIMの中では高価なオプションだが、YouTube漬けになっている人や、BGMに音楽配信サービス、BGVにAbemaTVを朝から晩まで流していたいという人には有効なサービスだ。

 また、ストレージの利用も膨大なデータ消費となるが、OCN モバイル ONEではクラウドストレージの「マイポケット プラス」のみデータ量をカウントしない。マイポケットプラスの利用は有料(月額540円)だが、 マイポケット プラスのカウントをしないために申し込みや月額費用は不要だ。

 そして、低速モードに切り替えたときに、通信容量がカウントされなくなる格安SIMも多い。普段は低速に切り替えておいて通信容量をカウントせず、必要なときだけ高速モードにするという使い方もある。

 これは3大キャリアのサービスが容量オーバーしたときだけ低速になるのに比べて柔軟にパケット消費を調整できる。

 とにかく、通信料を抑えたいという人に向いた使い方となる。主な格安SIMがこの方式に対応するが、対応しないところもあるので、事前に確認をしてもらいたい。

格安SIMもIPv6への対応がはじまる

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IIJmioのウェブサイトを表示した際、IPv6で接続すると上部に「CONNECTED via IPv6」と出る。KDDIやOCNのトップページなど、そういうサイトは多い

 ドコモではプロバイダーに「mopera U」、auではLTE NET for DATAを申し込むことでIPv6による接続。3大キャリアで対応が徐々に進んでいるが、格安SIMでもIIJmioでは以前から対応となっている。

 特にAndroidではAPN設定でIPv6も指定することで、それだけでIPv6接続ができてしまう。IPv6で接続できるからといって現在は特別な違いはないが、インターネット内での経路が異なるため、接続のスムースさが変わる可能性がある。すでにGoogleのサービスやFacebookなどは設定すればIPv6で接続される。

 これは、モバイルルーターでも同様で、Windows 10ならばデフォルトの設定のまま接続すれば、そのままIPv6でも接続される。

 実用性はともかく、モバイルでもIPv6をしていたいという人には、格安SIMを選ぶ理由があるだろう。