呪文を唱える、ゆっくり数を数えるのも効果的

 それから、舞台に出る前に自分だけの念仏というか、呪文を唱えることも、私がつい最近までやっていたことです。

「今日、私がお会いする人たちは、私の話を聞いて幸せになってくれます。落ち込んでいた人は元気になって、元気だった人はもっと元気になって、最後はみなさん笑顔になってくださいます。私にはそれができると信じています」――この呪文を舞台袖や楽屋で、小声でぶつぶつと(人がまわりにいるときは心の中で)10回唱えていました。

 呪文を唱えることで、「聞いてもらえなかったらどうしよう」といった恐怖心や不安に思考を支配されないようにしていたのです。それによって、ひるまずに本番に向かっていけました。今は、この呪文を唱えなくても大丈夫になりました。何度も何度も唱えているうちに、「きっとうまくいくから大丈夫」と心から信じることができるようになったんです。

 また、すぐに呪文が出てこないときや、時間のないときは、心の中でゆっくりと数字を「1、2、3、4、5……」と、1から10まで数えてみてください。たったこれだけのことで精神的にかなり落ち着いてくるはずです。一度、だまされたと思って、ぜひやってみてくださいね。

あがり症の人は「自然体で」と思わないほうがいい<br />――和田裕美さん『本番力』インタビュー

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