ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
ダイヤモンドホームセンターView Point

緊急対策!店舗の節電に対応する
運営効率改善のカギとなる
節電目標15%

まずは電気使用の把握から

ダイヤモンドホームセンター
【第26回】 2011年7月5日
著者・コラム紹介バックナンバー

節電は実質使用制限
悪質な場合は、罰則も

今夏、日本政府はピーク時の消費電力を昨年比15%削減する節電目標を設定した。主に空調と照明に電気の使用が限定されるHCにとって、この目標達成は意外に難しい。夏を目前にしたいま、何をすべきか。

 東日本大震災により、東北電力と東京電力の発電能力が損傷したことから、日本政府は7月から9月まで、ピーク時の消費電力を昨年比15%削減する節電目標を設定した。

 この節電目標に従い、両電力会社の管内に店舗を持つ小売業も節電に取り組まなければならない。すでに5月18日には、スーパーマーケット(SM)3団体が、経済産業省の担当者を招いて説明会を開催するなどの動きも出ている。HC業界に対しても、すでに日本DIY協会(東京都)を通じて通達されており、夏を目前に節電対策が急務となっている。

 今夏の電力ピーク需要について、東京電力は6000万kW、東北電力は1480万kWと、想定している。これに対する供給電力量は東京電力が5520~5620万kW、東北電力は1370万kWで、東京電力は6.3~8.0%、東北電力は7.4%の供給不足が予想される。この予想値に発電に伴う技術的リスクを考慮して15%の節電目標が設定されたが、これは単なる努力目標ではなく、使用制限と言ってもいい。契約電力500kW以上の大口事業者に関しては、目標が守られず悪質だと認められた場合には、罰則もある。

 「15%の節電目標」といわれるが、今回の目標はあくまでもピーク時の消費電力が対象だ。電気の使用量は、電気の発電総量を示す「kWh(キロワットアワー)」と、瞬間的な電気の発電や消費を示す「kW(キロワット)」によって示される。「kWh」は電力計、「kW」はデマンドメーターにより、それぞれ測定されているが、今回の節電目標は、ピーク時の「kW」を対象としている。とくに夏の午後1~3時ごろは、気温が上昇しエアコンの稼働率が上昇するため、電気の使用がピークになるが、この時間帯の節電がとくに求められている。

節電目標を、省エネHCづくりの良い機会にすべき

 「節電」といっても、HCの場合、電力を使用するのは、空調と照明が大半。SMのように、電力消費の大きい冷凍・冷蔵機があるわけではない。果たして、どこまでの節電が可能なのか。

 省エネルギー関連のコンサルティングを行っている環境経営戦略総研(東京都)の村井哲之社長は、HCの省エネを手掛けた経験を踏まえた上で「HCは、少人数でオペレーションが実施されているため、運用改善ができずに、過剰な冷暖房が行われていたり、展示商品にムダな電気が使われているケースが意外に多い」と指摘する。しかも忙しければ、電力使用に気を配る機会も限られる。

 村井社長は「今回の節電目標の設定を、どこよりも少ないエネルギーで運営されるHCを考えるための良い機会にするべき」と強調する。

 ここで重要なのが、自社がどのように電気を使用しているかをまず把握することだ。そこで必要になるのがデマンドモニターだ。電力会社が設置するデマンドメーターは瞬間的な電気の最大使用量を表示するだけで、時間ごとの使用状況はわからない。ここに電気のパルス信号を受けて、時間ごとの使用状況を計測できるモニターを取り付け、電気の使用状況を把握するのである。

 使用状況がわかれば、さまざまに活用できる。たとえば、今回の節電目標15%は、店舗ごとではなく、企業全体における使用量を対象としている。各店の使用状況と売上や立地条件も加味して、店ごとの対応を考えることもできる。また、これを機会に昨年夏の使用量から節電目標を設定して、全社員に節電を意識させれば、運営改善にもつながるはずだ。さらに、電気の使用状況を把握した上で、売場をブロックに区切り、空調や照明の必要性について検討すれば、これまでのムダな電気の使い方を見直すきっかけにもなる。これらと並行して電気の使用状況を携帯メールで関係者に送信すれば、節電意識も高まるはずだ。

 主に電気の使用が空調と照明に限定されるHCだが、それだけに電気使用のムダに対して、深く切り込まなければ節電は難しいともいえる。
今回の節電目標の設定は、店舗運営の効率運営を考えるきっかけになる。


「ダイヤモンド ホームセンター」7月号 好評発売中!

国内ホームセンター(HC)市場は近年、伸び悩みが指摘されており、完全な成熟市場に入っています。背景には、オーバーストア化による競争激化と人口減少によるマーケットシュリンク、専門店の躍進等が考えられます。 そうした環境下を生き抜く、戦略の軌道とは!?ダイヤモンド・ホームセンター7月号では、成熟市場をこじ開ける3つのカギ(市場創造、脱同質化 占有率アップ)を掲げ、「創・脱・占で勝ち上がる!」という大特集を実施します。有力HC各社のトップインタビューや戦略レポートが目白押しです。 また、特別企画として、消費のゆくえから、店舗開発・構造変化の動きまで5つのテーマで分析した「震災後のニューリアリティに挑む」も掲載。気になる変化の諸相に迫っています。 ぜひ、ご一読ください。
小売・サービス・流通業界がわかるビジネス情報サイト DFオンライン

関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

ダイヤモンドホームセンター

『ダイヤモンドホームセンター』誌は、「ホームチャネルの市場創造」をテーマとした、ホームセンターや各種専門店を中心とする企業、スタッフへのビジネス情報誌。生活の多様化は、ホームチャネルと呼ばれる多くの企業・店舗に、より快適でストレスレスな空間と商品、そして情報を求めています。快適生活を提案するホームチャネルビジネスを成功に導く情報誌の決定版、それが『ダイヤモンドホームセンター』です。
最新号の内容・購読お申し込みはこちら


ダイヤモンドホームセンターView Point

流通ホームチャネルを中心に、小売・流通業界で巻き起こる様々な事象を、編集部が独自の切り口で届けるコンパクトニュース。

「ダイヤモンドホームセンターView Point」

⇒バックナンバー一覧