糖尿病・リウマチ……
歯周病は体の病気にも影響

 近年は、糖尿病をはじめ、狭心症・心筋梗塞、関節リウマチ、骨粗しょう症など、さまざまな全身の病気と歯周病の関係も明らかになりつつある。

 では、なぜ歯周病になるのか――。まず、食べかすの中などにある細菌が繁殖して、歯と歯ぐきの間(歯肉縁)に細菌の塊である歯垢(プラーク)が作られる。それが歯周病を起こしやすくする。歯垢1ミリグラムの中には、歯周病菌を含む細菌が10億個もいるといわれている。

 また、働き盛りの男性は、仕事上のストレスを抱えがちだ。ストレスがあると、歯ぎしりや食い縛りをしてしまい、歯周組織がダメージを受け、歯周病悪化の原因にもなる。

 喫煙や飲酒も歯周病に悪い影響がある。たばこを吸うと、ヤニが歯の表面に残り、そこに歯周病菌を含むプラークが張り付きやすくなる。唾液は口内細菌の繁殖を抑える作用があるが、酒を飲むと、喉が渇いて唾液が少なくなり、歯周病になりやすくなる。「酔うとつい歯を磨かずに寝てしまう」というのも良くない習慣だ。

 日頃の歯のケアの中心になるのは歯磨き。「しっかり10分間磨いている」というビジネスパーソンも多いだろう。しかし、時間をかけることイコールしっかり磨くことではない。「時間をかける人は、同じ所を何度も磨いてしまいがち。特に男性は時間がないと、強く大きく磨く傾向がある。強く磨き過ぎると、歯ぐきを傷つけることも。手磨きで『ゴシゴシ』と音がする場合は、強すぎると思った方が良い」(フィリップス歯科衛生士・上村泰子氏)。

 正しい歯磨きは、「歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの境目や歯と歯の間に当て、力を入れ過ぎずに、1~2本ずつ小刻みに磨いていくのが基本。1日3回しっかり歯を磨くことが理想だが、口臭を抑えるという意味では朝、プラークを落として寝るという意味では夜に磨くことが大切だ。1日1回なら、夜にしっかり磨く方が良い」(上村氏)。