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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

7-9月期は米国金融緩和期待の催促相場
ただし、今年はオフサイド・トラップに留意も
――高田創・みずほ総合研究所チーフエコノミスト

高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト],熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト],島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト],森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]
【第29回】 2011年7月6日
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想定外の金利低下だった4-6月期、
7-9月期も低下バイアス続くが

 2011年度4-6月期が終わったが、債券市場参加者にとって予想以上の金利低下だった。多くの市場参加者の2011年度を迎えるにあたってのシナリオは、欧米の金融政策のエクジットがベースになっており、その結果、2011年前半の金利上昇を意識していた。

 しかし、3月11日に大震災が起き、シナリオ修正を行なう間もなく4-6月期を迎え、しかも予想外の金利低下の展開だった。

 3月11日の大震災に伴う株価の大幅下落やクレジット市場の変動で、4-6月期には運用の多様化の難しさが改めて認識され、金利リスク依存、「おコメ」依存の状況が続く状況は変わらなかった。

 これまでも本論で「緊急避難的な金利低下」「緊急避難状態のおコメ回帰」と議論してきたが、4-6月期を締めくくり、「緊急避難」を一時的とするに止まらず、低金利状況長期化を改めて意識した面が強い。

 ただし、このような環境は日本固有の状況によるものだけでなく、むしろ海外要因が決定的な影響を与えた。

 ちょうど1年前の2010年4-6月期にも、こうした予想外の金利低下が生じた背景には、米国を中心に海外環境が予想とは大きく異なった点にある。2011年4-6月期の米国10年金利は、年度当初4%近い水準までの上昇も視野に含まれたが、実際には2.8%台まで低下した。

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高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。

熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]

くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。

島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト]

しまもと・こうじ/1990年、東京大学卒業、日本興業銀行入社。調査部門で金利分析や経済予測を担当。2000年からBNPパリバ証券で投資調査本部長兼チーフストラテジストとして金融市場予測を担う。日本経済新聞社の債券アナリスト・エコノミスト人気調査の債券部門では06、08年に1位。金融庁の金融市場戦略チームや金融税制研究会、行政刷新会議の事業仕分けなどに参加。

森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]

もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総研入社。98年~2000年米ブラウン大学大学院に留学し、経済学修士号を取得。その後、英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所経済調査部を経て、08年バークレイズ・キャピタル証券入社。日本経済および金融・財政政策の分析・予測を担当。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)など。2010年7月より、参議院予算委員会内に設置された「財政再建に向けた中長期展望に関する研究会」の委員を務めている。

 


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

「経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層」

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