[31日 ロイター] - <為替> ドルが円に対して一時2週間ぶり安値に下落。ドルはユーロに対しては過去1週間強で最低の水準となった。米国の政治情勢が緊迫化する中、ドルを売る動きが広がった。

終盤の主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.3%安の96.99。

コモンウエルス・フォーリン・イクスチェンジのチーフ市場アナリスト、オマー・エシナー氏は「トランプ政権の大胆な景気刺激策への期待を剥落させた米政界の機能不全によって、ドルは圧迫され続けている」と述べた。

この日発表された米経済指標は、強弱入り混じる内容だった。全米リアルター協会(NAR)が発表した4月の中古住宅販売仮契約指数は2カ月連続で低下。シカゴ地区購買部協会が発表した5月の景気指数は上昇した。

これらの経済指標は、米連邦準備理事会(FRB)が6月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げに踏み切るとの観測に、ほとんど影響を与えなかった。先物市場は現在、FRBが6月に政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げる確率を86%と織り込んでいる。

来週に実施される英総選挙で与党保守党が依然としてリードしているとの世論調査を受け、ポンドは持ち直した。終盤のポンド/ドル<GBP=>は0.2%高の1.2883ドル。

<債券> 国債利回りが低下。月末特有の買いが入ったことに加え、軟調な住宅関連指標を受け年内はあと2回の利上げが実施されるとの観測が後退したことを背景に、30年債利回りは約5週間ぶり、10年債利回りは約2週間ぶりの低水準を付けた。

4月の中古住宅販売仮契約指数は前月比1.3%低下の109.8となった。低下は2カ月連続で、予想の0.5%上昇に反して低下した。これを受けて30年債<US30YT=RR>利回りは一時2.856%と、4月20日以来の水準に低下。10年債<US10YT=RR>利回りは2.196%と、13日ぶりの低水準を付けた。

短期債利回りも低下し、3年債<US3YT=RR>利回りは1.427%を付けたほか、2年債<US2YT=RR>利回りは1.278%と、8日ぶりの低水準を付けた。

中古住宅販売仮契約指数を受け、6月に続く利上げが年内に実施されるか疑問符が付いた。

エバーコアISIの債券ストラテジスト、スタン・シップリー氏は、「経済が絶好調というわけでもなく、インフレ関連指標も軟調となるなか、市場では6月以降の大幅な金融引き締めの可能性は織り込まれていない」とし、今回の中古住宅販売仮契約指数もこうした見方を裏付けるものだったとの考えを示した。

<株式> 小幅安。JPモルガン<JPM.N>とバンク・オブ・アメリカ(バンカメ)<BAC.N>が厳しい業績見通しを示し、金融株が全般に売られた。半面、公益株や電気通信株などディフェンシブ銘柄は堅調だった。

JPモルガンは、ボラティリティ―の低下により第2・四半期のトレーディング収入が前年比15%減っていると発表。バンカメも今期のトレーディング収入が前年同期を10─12%下回るとの見通しを示した。

JPモルガンは2.1%安、バンカメは1.9%安で取引を終了。ゴールドマン・サックス<GS.N>は3.3%下落と、ダウ構成銘柄中で最大の下げとなった。

BMOグローバル・アセット・マネジメントの株式ヘッド、エルネスト・ラモス氏は「インフラ投資や規制緩和、税制改革などトランプ大統領が打ち出した政策はすべて、市場が当初見込んだ規模やペースでは進むことはないとみられている」と指摘。「上昇していた株式市場が下げに転じ、特に銀行株で顕著なのはこのためだ」とした。

トランプ大統領の政策への期待がしぼむ中、業績が景気動向に左右されにくいディフェンシブ株が全般に買われた。S&P公益株指数<.SPLRCU>は0.46%上昇。S&P電気通信サービス指数<.SPLRCL>は0.35%上げた。

S&Pエネルギー株指数<.SPNY>は0.4%下落。原油はナイジェリアやリビアの増産で石油輸出国機構(OPEC)主導の減産効果が損なわれるとの見方が広がり、下落した。

<金先物> 反発。ドル安・ユーロ高の進行のほかテクニカル絡みの買いも入り、未明から堅調に推移。原油相場の大幅下落に加え、午前中に発表された住宅関連指標が低調な内容だったことを受けて米株相場が続落する中、金に質への逃避買いが入った。ただ米雇用統計の発表を週末に控えて、投資家の様子見姿勢が幾分強まり上値は抑えられた。

<米原油先物> 続落。技術的な問題が生じていたリビアのシャララ油田で生産量が緩やかに回復しているとの報などが投資家心理を圧迫、昼前には一時47.73ドルまで下落した。その後、原油在庫減少見通しなどから安値拾いやショートカバーが入り、下げ幅の一部を縮小した。