[ブリュッセル/ミラノ 1日 ロイター] - 欧州委員会のベステアー委員(競争政策担当)は1日、イタリアの銀行大手モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(モンテ・パスキ)<BMPS.MI>の資本再編について、イタリア政府と基本合意に達したことを明らかにした。大規模な費用削減、投資家の一部による損失負担、最高幹部らの報酬への上限設定などが含まれる。

2016年7月に結果が公表された欧州連合(EU)全体の銀行の健全性審査(ストレステスト)でモンテ・パスキは最下位だった。

欧州委によると、EUのルールに沿って「予防的な資本再編」を進めることで基本合意が成立した。業績の黒字化を確実にするなど、一定の基準を満たすことが条件。

ベステアー委員は「イタリアは、納税者の負担を抑えながら、EUのルールに沿って、モンテ・パスキに予防的な資本注入を行うことが認められる」と表明した。

欧州委によると、欧州中央銀行(ECB)がモンテ・パスキに支払い能力があると認定することや、民間投資家が不良債権の買い取りで合意することが条件になる。

イタリアが緩やかに銀行危機へ向かう中、モンテ・パスキは不良債権の増加や元幹部らによる不正疑惑の悪影響を受けてきた。昨年12月には増資などを通じて50億ユーロを調達する計画を実施したが失敗。88億ユーロ(99億ドル)の資本不足を補うため、政府支援を要請した。

現行のEU規定では、加盟国の公的支援による自己資本バッファーの増強は支払い能力のある銀行に対してのみ認められるが、モンテ・パスキに対しては、今回の欧州委との合意により例外措置が適用される。

イタリア政府は66億ユーロ程度をモンテ・パスキに注入し、政府の保有比率は70%前後となる見通しだ。

同行は5月29日、不良債権の売却を巡り、国内のファンドや投資家グループと独占協議を進めていると明らかにした。関係筋によると、不良債権の売却価格によってはさらなる貸倒れ損失につながりかねないため、価格は公的支援の鍵を握っているという。

同行の再建計画の詳細は公になっていないが、数千人の人員削減や数百カ所の支店閉鎖などが含まれるもよう。

欧州委との合意により、最高幹部らの報酬の上限は社員平均の10倍に設定される。関係筋によるとその結果、モレッリ最高経営責任者(CEO)の年俸は現在の180万ユーロ以上から削減され、50万ユーロ程度になる見通しだ。