経営×物流

ヤマト運輸、業務過多と宅急便現場の疲弊をどう改革するか

都市部では外部業者などによる新たなラストワンマイル網構築も

長尾裕社長

 ヤマト運輸(本社・東京都中央区、長尾裕社長)は今秋発表予定の新中期経営計画「DAN-TOTSU3ヵ年計画JUMP」(2017年度~19年度)につながる経営軸として「“地域経営”に向けた地域課題の解決と新しい価値の提供」と「IT・新技術の活用による新たな価値の創造」を掲げ、「一番身近で一番愛される企業」の実現をめざす。17、18日に行われたヤマト運輸労働組合の「中央研修会」で長尾社長(=左写真)が講演し、明らかにした。

 一方で業務過多が宅急便現場の疲弊を招いたことについて、長尾氏は「外部環境の変化に対して打つ手が遅れ、皆さんにお詫びしたい」と謝罪。その上で、17年度は働き方改革など4テーマから成る「経営構造改革」に取り組むことを強調し、とくにラストワンマイルの構造改革に向けて「都市部のような過密地域では別のネットワークも必要」との考えを示した。

大口顧客への営業を
「課題解決で得られる価値への対価をいただく」スタイルに

 新経営軸の1つである「地域経営」は、地域が主体性を持って各地のニーズに合致したビジネスを推進するもの。長尾氏は「宅急便という全国均一サービスで商売をしてきたが、たとえばニーズが多様化する大都市圏と人口減が深刻化する山間地で求められるサービスが異なるように、地域によって経営の仕方を変える必要があるのではないか」と指摘した。

 これに合わせ、「新しい価値の提供」として大口顧客向けの営業スタイルも見直す。これまでもソリューション営業は進めてきたが、料金面では宅急便やロジスティクス、決済といった機能別の対価となっており、「全ての機能で価格を叩かれかねない状況にあった」と長尾氏は説明。その上で、「今後はグループ全体で、お客様が課題解決で得られる価値への対価をいただく形にしたい」とし、「ソリューション営業の展開は当社の大きな事業軸になる」と期待を寄せた。

 「IT・新技術の活用」に向けては、自動運転技術を用いた「ロボネコヤマト」プロジェクトを挙げ、「徐々に利用者は増えており、これから面白い展開になるかもしれない。商売になるかわからないような早い段階から実験は進めるべき」と述べた。宅急便のバックヤード業務についても、「第3者に入ってもらって、紙の使用量や内勤の業務量を減らせないか実験している」と報告。「アナログでしかできないことと新技術を組み合わせ、新しい価値を作っていきたい」と意欲を示した。

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