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美人のもと

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西村ヤスロウ [広告プランナー]
【第106回】 2011年7月11日
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 私たちは一日に何回座ったり立ったりするのだろう。普通に生活をしていると数え切れないほど繰り返している。人は座りっぱなし、立ちっぱなしはつらいので繰り返す。

 美人は座る瞬間が美しい。一日に何度も行う行為に美しさがある。たぶん、美しく着席することは「美人のもと」を生むのだろう。

 「美人のもと」を生み出す座り方とは何かを考えたい。

 静かに座ること。椅子をひいたり、位置を直したり、椅子が動くことによる音をできるだけ出さないようにする。無造作に音を立てて椅子をひく人はたいてい座ってからも体重をかけたまま椅子を動かそうとして、おならのような音を立てるのだが、美人は椅子を優しく扱うので大きな音を立てない。

 それ以上に差が出るのは、座る瞬間より前である。美人は座る前の準備を丁寧に行う。どこに座るべきかをすぐに見極め、順序を気にして座る。さっさと座ったり、いつまでも座る位置を探したりしない。そして、荷物を丁寧に置いたり、着ていた上着をきれいにたたんだり、かけたりして持ち物を大切に扱うのだ。

 自分より先に、他人。そして自分より先に、自分のものたちを静かに座らせる気持。

 そのおかげで美人が立ち上がっても不自然な皺があることが少ない。美人の持ち物はおかしな場所に傷がついていることがほとんどない。

 自分の荷物を投げる人がいる。椅子や床に投げる。音を立てて投げる。投げて座り、座って投げる。座る動作に投げる動作がついてくる。

 投げる動作は「美人のもと」を減らしてしまうのに、置くという動作を忘れ、投げ続ける。

 投げるからものが傷みやすい。自分のせいなのに傷みやすいことをもののせいにする。だから買い替えサイクルも短く、いつもものの文句を言っている。

 お座敷などでのものの置き方も乱暴だ。上着を脱いで投げるように置く。たぶん家でも着ていたものをあちこちに脱ぎ散らかしているのだろう。平気で床に転がしているのだろう。変な折り目がある。

 投げない生活。それだけで美人の座り方が身につくはずだ。


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西村ヤスロウ [広告プランナー]

1962年生まれ。プランナー。趣味は人間観察。著書に『Are You Yellow Monkey?』『しぐさの解読 彼女はなぜフグになるのか』などがある。


美人のもと

『経』に好評連載中の西村ヤスロウ氏によるエッセイ。「美人のもと」とは、女性なら誰しも持っているもの、「美人のもと」を磨き続けるためのコツを解き明かす。

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