[ワシントン 4日 ロイター] - 世界銀行は4日、最新の世界経済見通しを公表し、2017年の世界経済について成長率が2.7%に加速するとの予想を据え置いた。製造部門と貿易が上向き、市場心理が改善するほか、商品価格が回復するとした。

6月時点の成長率予想が1月の前回見通しから引き下げられなかったのは数年ぶり。これまではリスクの拡大で下方修正されることが続いていた。

16年の推定成長率は2.4%。1月時点から0.1%ポイント上方改定された。

先進国については日本と欧州を中心に改善の兆候が見られるとし、7大新興国(中国、ブラジル、メキシコ、インド、インドネシア、トルコ、ロシア)は世界の成長を再び後押しするとした。

世銀のジム・ヨン・キム総裁は声明で「ぜい弱ながらも真の回復が現在進行する中、各国は長期的に成長の持続につながる民間投資を引き付けられるような制度・市場改革に取り組むため、この機会を生かすべきだ」と指摘した。

日本の17年の経済成長率は1.5%になると予想。1月時点から0.6%ポイント引き上げた。ユーロ圏の成長率についても0.2%ポイント引き上げ、1.7%とした。どちらについても輸出の拡大と非伝統的な金融緩和が成長を支援すると説明した。

米国経済については改善しているとしつつ今年の成長率見通しを0.1%ポイント下方修正し、2.1%になるとした。年初の成長率低迷を受けたものだが、原因となった消費支出の停滞は一時的とみている。18年の成長率見通しについては2.2%にやや上方修正した。

中国の今年の経済成長率については、昨年の6.7%から6.5%に鈍化するとした見通しを据え置いた。また、商品輸出国であるアルゼンチン、ブラジル、ナイジェリア、ロシアの景気後退局面は終了し、今年は再びプラス成長になりそうだとした。

ただ、世銀はトランプ米政権が検討する政策に言及し、新たな貿易規制が貿易の回復傾向を損なう可能性があると警告。こうした規制が中国をはじめとするアジア各国に偏って影響を及ぼす恐れがあるとの見方を示した。

世銀は「中国の輸出が大幅に阻害されれば同国の成長が損なわれ、アジア地域に大きな波及効果を生むだろう」と指摘。「さらに、米国の貿易規制措置が報復を引き起こす可能性がある」とした。