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栃木県宇都宮市のアプライアンス社テレビ事業部モノづくり革新センター

 パナソニックは、テレビの生産拠点である、栃木県宇都宮市のアプライアンス社テレビ事業部モノづくり革新センターの様子を公開した。

 パナソニックは、6月16日から、65型の「ビエラ TH-65EZ1000」など、4K有機ELテレビ3機種を発売する予定だ。今回は、出荷を直前に控え、急ピッチで生産が進む有機ELテレビの生産ラインを初公開した。

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モノづくり革新センターで生産される4K有機ELテレビ「ビエラ TH-65EZ1000」

 テレビ事業部モノづくり革新センターは、1967年に操業。今年がちょうど50年目の節目を迎える。「National」ブランドだったブラウン管テレビ「クイントリックスシリーズ」や「画王シリーズ」といったヒットモデルを生産。さらに、2003年からは薄型テレビ「VIERAシリーズ」の生産を開始する一方で、2004年にはブラウン管テレビの生産を終息している。現在は、19型~75型までの液晶テレビを生産。さらに、隣接する建屋ではテクニクスブランドのオーディオも生産している。

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パナソニック アプライアンス社テレビ事業部モノづくり革新センターの阪東弘三所長 

 パナソニック アプライアンス社テレビ事業部モノづくり革新センターの阪東弘三所長は、「パナソニックのテレビの生産は、宇都宮のモノづくり革新センターをマザー工場として、生産のライン計画工程から製造技術まで、蓄積した様々なノウハウを、世界7カ所の拠点に発信していく役割を持つ。日本のモノづくりを象徴する生産拠点である」と語る。

 4K有機ELテレビは、2017年5月から生産を開始し、日本設計および日本生産の「ジャパンプレミアム」と位置づけており、日本での生産ノウハウの移転をベースに、欧州ではチェコ工場での量産を開始。今後、7月からはマレーシア工場でも、有機ELテレビの生産を開始することになる。

 4K有機ELテレビは、同社のフラッグシップモデルに位置づけられる製品で、ビエラ史上最高峰の漆黒の黒と色再現性を実現している」のが特徴。

 「有機ELテレビは、ブラウン管やプラズマテレビと同じ自発光デバイスであり、それらの生産で蓄積したノウハウを、有機ELテレビの生産にも生かすことができる。モノづくり革新センターは、ブラウン管、プラズマテレビ、液晶テレビ、有機ELテレビの4つの異なるデバイスでのテレビ生産を行った経験を持つ、世界でも稀な工場になる。有機ELテレビの真の実力を発揮するには、高度な技術が必要不可欠。新たな技術と蓄積した技術の両方を生かすことで、自発光デバイスの性能を最も引き出すことができる生産技術を確立することができ、ジャパンプレミアムを実現する4K有機ELテレビの生産を可能にしている」とする。

ジャパンプレミアムを標榜した最上級ビエラ

 4K有機ELテレビでは、映像処理を行うための「ヘキサクロマドライブPLUS」を搭載。これを、高度に精密化された最新ファクトリーオートメーション技術を用いた基板実装ラインで生産。正確な発色のために1台ずつ画質をチェックすることで、忠実な色再現を実現しているという。

 「最先端の検査技術を活用する一方で、人による目視での検査も重視している。開発部門と製造部門が連携して、独自の検査装置や検査基準により、色のばらつきを抑えることができている。さらに、4K有機ELテレビでは、テクニクスの開発チームが音質をチューニングしたサウンドシステムを搭載しているが、同じ敷地内でテクニクス製品を製造しており、スピーカーも全数検査を実施している」とする。

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モノづくり道場は、スタッフの製造スキルを高める場として活用
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モノづくり道場の様子。座学や実習を通じて技量の高位平準化を図る
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とちおどめ会と称して、研鑽に励む。習得した製造スキルは名札に示される

 4K有機ELテレビの生産は、24人体制で行っているが、それらの組立には「赤帯」と呼ばれる、最も技術力を持ったスタッフだけで構成。最高の組立集団によって、組立、検査、包装作業が行われている。

 たとえば、赤帯の条件には、視力が1.0以上、色覚異常がないこと、有機ELに関する基礎知識を持つことのほか、ペーパーテストで90点以上を獲得するや、不具合発見テストに合格することなどが条件となる。

 「モノづくり革新センターのミッションは、商品を鍛え、モノづくりを鍛え、人を鍛えることにある。そのなかで、最高の品質のテレビを届けることができる」とする。

 モノづくり革新センターでは、「赤帯」のスタッフを増員させ、有機ELテレビおよびテクニクス製品の生産増加にも対応する姿勢をみせている。

 現在、モノづくり革新センターでは、年間1万台の生産に対応できるようにしており、TH-65EZ1000では日産235台までの生産能力を持ち、需要変動に対応できるという。

 では、テレビ事業部モノづくり革新センターの有機ELテレビの生産工程の様子を見てみよう。

写真で見る有機ELビエラの製造工程

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こちらは4K有機ELの基板実装ライン。9割の機械がパナソニック製だ
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高速マウンター。最小の部品では1×0.5mmのサイズのものが実装される
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工程内では目視による検査も行われている
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生産されたTH-65EZ1000の基板。1528点の部品が搭載されている
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4K有機ELテレビ「ビエラ TH-65EZ1000」の組立ラインの様子
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組立ラインに運び込まれた有機ELパネル。LG製のパネルだ
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専用のクレーンを使って有機ELパネルを持ち上げる
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この段階で、目視で傷がないかどうかをチェック
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クレーンによって組立ラインに投入される有機ELパネル
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パネルの背面から様々な部品を組み込む
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横方向からは別の部品の組み立て工程が合流する
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双腕ロボットによって組み立てる工程もある
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各種コネクタ類も組み込まれる
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ベルトコンベアで移動しながら部品が組み込まれる
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部品の組み込みが完了するとエージング工程へ
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一番奥にある有機ELテレビは、パネルの湾曲がないかどうかを検査しているところ
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検査用の暗室に入る有機ELテレビ。全輝度領域の色度確認を自動的に行う
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完成工程に入る有機ELテレビ
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このブラックボックスのなかには人が入って、目視による検査を行う
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包装工程に入る有機ELテレビ
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包装工程で用意されたダンボールと緩衝材
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包装される有機ELテレビ
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標準添付部品の組み込み作業は別に行われる
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ダンボールに詰め込まれた有機ELテレビ
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包装された「ビエラ TH-65EZ1000」。これで完成だ
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包装後に出荷口に自動搬送される「ビエラ TH-65EZ1000」 
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構内にあった看板。ビエラは宇都宮名産品。心を込めて製造している