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今回発表されたiOS 11ではiPadでの操作性を変える新機能が目立ちます。両手の指を使う操作が新しいです

 今日はサンノゼで原稿を書いています。Appleの開発者会議、WWDC 2017の取材です。筆者が住んでいるバークレーからはクルマで1時間。交通機関は高速鉄道BARTとバスを乗り継いで2時間という距離なのですが、朝夕の渋滞を考えると、クルマ移動は2時間半ほどになります。

 BARTはサンノゼへの延伸計画があり、Teslaの自動車工場があるフリーモントから南へ1駅、すでに伸びたのですが、そこから先はまだまだかかりそうです。

 さて、サンノゼで開催されたWWDC 2017の基調講演は、昨年のソフトウェアに焦点を当てた内容からうって変わって、たくさんの新しいハードウェアが登場しました。

 MacBook Pro、MacBook、iMacの刷新、ブラックでいかにも悪そうな風貌のiMac Proのプレビュー、そしてiPad Pro 10.5インチの発表と12.9インチの刷新、さらにスマートスピーカーのHomePod。TouchBarなしの13インチMacBook ProとiMac 4Kは値下げされ、米国の新学期商戦にも狙いを合わせてきました。

 とはいえ、やはり注目はまったく新しい製品として発表されたHomePodでしょう。まずはこの話題から。

HomePodはAIスピーカーではなく
あくまでオーディオ機器

 さて、タイトルの細かい3つの点について触れていきましょう。

 Amazon EchoやGoogle Homeに対抗する製品をAppleがリリースする。そんな噂はかねてから報じられており、HomePodはそれが実現した、そんな存在として受け止められています。

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HomePodはオーディオ製品としての位置付けがメインと感じます。基調講演でもオーディオ部分の説明が先で、Siriとの連携は後回しでした

 確かにHomePodはSiriをサポートし、AIスピーカーという位置づけで間違いないのですが、どうもAppleはHomePodを、よりオーディオ機器として見てほしい、という思いもあるように感じました。そう考えた理由は、HomePodの電源ケーブルです。

 HomePodは他のスマートスピーカーと同様、電源だけ差し込めば、あとはWi-Fiネットワークを通じてさまざまなタスクを行なうことができる仕組みです。他のスピーカーのケーブルは通常のデジタル機器っぽいビニール製ケーブルなのですが、HomePodのケーブルはファブリックで巻いてあり、デバイスの色に合わせた配色を選ぶなど、こだわりを感じるのです。

 ちょっとした違いですが、ケーブルがファブリックなだけで、ガジェットと言うよりはオーディオ機器、スピーカーという印象を強めるから不思議ですね。

iOS 11の登場で、iPad Proのサイズ選びに悩みこむ

 本連載でも以前に触れたとおり、筆者は昨年のiPad Pro 9.7インチモデルの登場以来、普段の原稿の仕事、取材にiPad Proを導入しています。

 Macを持ち運ぶよりも軽快な上、愛用している多くのアプリはすでにiPadで揃っており、バッテリー持続時間も長く、単体でLTE接続が可能と、メリットをより感じる場面が多かったのです。

 そうしたiPad Pro愛用者の筆者にとって、iPad Proの刷新は待望の発表でした。しかも9.7インチから10.5インチへとサイズが大きくなり、組み合わせるSmart Keyboardも大きくなりました。もっとも小さくてもさほど不便はしていませんでしたが。

 iPad Proとともに披露されたのが、秋にリリースされるiOS 11のiPad向け機能です。MacのようなDockや複数のデスクトップを切り替えられる仕組み、アプリ間のドラッグ&ドロップの対応、ファイル管理など、よりMacっぽい操作性、機能製が採用されました。

 背景にはiPad Proを本気でPCのリプレイス需要にぶつけようという狙いもあり、その中心的な役割は、サイズアップした10.5インチiPad Proということになるのでしょう。

 iPad ProとiOS 11の組み合わせは、不思議な体験です。今までマウスやトラックパッドは、1つのポインティングデバイスを操作してきました。タッチ操作もその延長で、片方の手で操作し、複数の指に拡張されました。

 新しいiPadでのiOS 11の操作方法は、その概念が一変し、両手の指を使いこなして操作する方法が導入されたのです。

 たとえば複数の写真を選択してドラッグ&ドロップをする際、まず選択作業では、1枚目を選んだら押しっぱなしにし、別の手の指で他の写真を選択してきます。選択が終わったら、空いている手の指で画面の下部をスワイプしてDockを表示させ、ドロップ先のアプリを起動し、好きな場所で指を離してドロップ完了。

 こうした一連の作業の中で、2つの手を使いこなして作業をする要素が2つも入っていました。これは全く新しい感覚。そして、この操作方法ができるなら、もっと大きい、12.9インチのiPad Proを選んで、広い画面で2本の手での操作を実現したい。そんな思いも湧いてきました。

 9.7インチユーザーの筆者からすれば、順当に10.5インチという選択なはずなのですが……。

Apple WatchのSiri Faceが実は楽しみ

 最後に、意外と楽しみにしているのが、Apple Watch向けの新OS、watchOS 4で搭載されるSiri Faceです。

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最初に説明が行なわれたwatchOS 4にも注目です

 Apple Watchの文字盤に、Siriがおすすめの情報を集めて表示してくれる機能。時間やスケジュール、リマインダーといった次の予定や公道に関する情報から、交通状況・運動状況などに応じたおすすめなど、様々な情報やカードをSiriが用意してくれて、次々にめくって確認することができる仕組みです。

 このSiri Faceには、サードパーティーアプリからの情報を利用することもでき、例えば近所にある試すべきお店や、天候の変化に応じた情報、交通機関の遅延情報などが入ってくると便利そうです。

 Siriはどうしても、音声アシスタントというイメージが強いため、話しかけて初めて活用すると考える人も少なくありません。しかし、Siriは我々の公道や周りの状況をつぶさに観察し分析してくれる存在。iOSなどに搭載されたCore MLで、機械学習をより高速に処理するようになったことも、さまざまなアプリがSiriを通じて情報を挙げてくる、そんな体験が広がることに期待しています。

 Siriさんはいままで自己主張がさほど強くない存在でしたが、今後は少しずつ前に出てくることになるのでしょうか。加減の問題もあると思いますが、やっと、Siriのいる生活を意識し始める事になると思うと、楽しみですね。

 来週にかけて、新製品の話などもお伝えしてきたいと思います。とにかく、iPadはどのサイズが良いのか……。