ルール4
相談や報告も「褒め」の一種と心得る

 褒め言葉を並べたてることだけが褒めることではありません。実は、相談する、報告するといったことにも「相手の存在を認めている=承認」という意味があり、褒め言葉と同等の価値があります。

①相談する

 「この案件について、ぜひ○○さんの知恵をお借りしたいのですが」

 「この組織は、5年後にどんな形態になっていると思われますか?」

 「以前は、どのような方法で進めていただのですか?」

 相談というのは、頼りになる人物にするものです。年上部下に相談するということは、相手の実力を認め、承認していることの証明になります。

②報告する

 「○○さんがサポートしていた若手が、目標の新規契約10件を達成しましたよ」

 「この前、クライアントから、○○さんのおかげでトラブルが解決できた、ありがとう、と連絡がありました」

 「出張のとき買ってきてくれたお土産、女性達が美味しいって喜んでましたよ」

 へんに媚びへつらわずとも、事実を報告するだけで、十分な褒め言葉になることを知っておきましょう。

ルール5
褒め言葉7つに対して、課題も3つ提示する

 年上部下のマネジメントでは、「できないこと」より「できること」に注目していく一方で、弱みや課題についても客観的な事実を臆さず伝えていきましょう。

 割合としては、7割が褒める、3割が課題、と意識しておいてください。

 その際には、人間性を避難したりすることなく、「今の資料だと利益がひと目でわかりにくい」「今期は前期比で20%と下回っています」などと、客観的な事実を伝えていきます。そのうえで、どうすればいいのかを年上部下に考えてもらうようにします。

 大の大人がいつも褒められたり感謝されたりしているだけだと、逆にバカにされているように感じるものです。「○○さん、いいですね!」「すごいです!」とばかり言われていると、自分の仕事を本当に見てくれているのか、真剣に評価してくれているのか、不安になってくるでしょう。

 人は褒められているだけでも、モチベーションは下がってしまう生き物だということを覚えておきましょう。
 


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