[マドリード/ブリュッセル/フランクフルト 7日 ロイター] - スペインのサンタンデール銀行<SAN.MC>は7日、資金繰りに行き詰まったバンコ・ポピュラール<POP.MC>を1ユーロで取得し、約70億ユーロ(79億ドル)の増資を行うと発表した。事実上の救済となる。

税金を投入しない代わりに、ポピュラールの株主と債権者が損失の負担を強いられる。「AT1」および「AT2」と呼ばれる社債の保有者はおよそ20億ユーロ(22億ドル)の損失に直面するほか、株主も投資全額を失う。サンタンデールは株主に対し、70億ユーロ相当の資本を要請する。

サンタンデールはポピュラール買収について、2019年から成長加速に寄与するとの見方を示した。買収後、サンタンデールは不良資産処理に79億ユーロを引き当てる。

サンタンデールのアナ・ボティン会長は「今回の案件はスペインと欧州の双方にとって好ましい」と語った。

これより先、欧州中央銀行(ECB)はバンコ・ポピュラール<POP.MC>が破綻の可能性に直面しているとし、サンタンデールによる買収など救済策を承認したと明らかにしていた。

ECBは声明で「バンコ・ポピュラール・エスパニョールは破綻しつつあるか、あるいは破綻する可能性が高いと6日に判断した。ここ何日かで同行の流動性は大幅に悪化しており、近い将来、債務類の返済が不可能になるとの判断に至った」と指摘。

その上で「このためECBは単一破綻処理委員会(SRB)に通告し、サンタンデール銀への売却による救済計画を採択した」と明らかにした。

欧州連合(EU)の欧州委員会も7日、SRBがまとめたサンタンデールによる救済の枠組みを承認したことを明らかにした。

ポピュラールの顧客に対するサービスに影響は生じないとし、「全ての預金者は引き続き、中断なく預金全額にアクセスすることができる。ポピュラールは業務の継続が可能だ」と表明した。

また、公的資金や破綻処理基金(SRF)の資金の投入は伴わないとし、サンタンデールによる買収は欧州委員会の通常の合併審査の対象になると明らかにした。

欧州委は「ポピュラールが破綻しつつあり、清算以外に民間部門の解決策がなかったうえに、破綻回避につながる監督当局の措置がなかったことから、救済案を承認した」と説明した。

その上で「ポピュラールが果たす重要な機能を確実に継続し、金融安定への著しい悪影響を回避するために最善の選択肢だ」とし、今回の場合、損失は株式と劣後債で完全に吸収されると指摘した。

銀行の清算にSRBの枠組みが活用されるのは今回が初めてのケース。SRBのケーニヒ委員長は、オーバーナイトで介入が必要になったと述べた。

スペインのデギンドス経済・産業相は、サンタンデールによる買収はポピュラールにとって好ましい結果だとし、公的資金や他の銀行への影響はないと指摘した。

アバディーン・アセット・マネジメントの信用リサーチ責任者ローレント・フリングス氏は「他の銀行に実質的な問題を引き起こすことはないはずだが、中堅銀行に投資することに伴うリスクが浮き彫りになった」と話した。

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