[東京 7日 ロイター] - 日銀は、「緩やかな拡大に転じつつある」としている景気の総括判断を引き上げる検討に入った。

前回4月の金融政策決定会合で「拡大」との表現を9年ぶりに使って上方修正したばかりだが、その後も好調な生産や雇用情勢を背景に「需給ギャップ」の改善が継続しているとみているためだ。早ければ15、16日の次回会合で、遅くとも7月会合までに決める見通し。複数の関係筋が明らかにした。

日銀は4月の会合で、好調な輸出と生産を背景に、景気の総括判断をそれまでの「緩やかな回復基調を続けている」から「緩やかな拡大に転じつつある」に上方修正した。

「拡大」との表現は、日本経済の潜在的な供給力と実際の需要の差である需給ギャップが需要超過状態にあることを示す。日銀試算の需給ギャップは2016年7─9月期がプラス0.09%、同10─12月期がプラス0.61%と2四半期連続の需要超過となっている。

その後も輸出・生産が好調に推移、労働需給は引き締まり傾向が続いている。日銀では、需給ギャップのプラス定着に自信を深めており、景気は「緩やかに拡大している」などに判断を進める方向だ。

早ければ次回会合で決める見通しだが、1-3月期の需給ギャップが明らかになり、新たな「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を公表する7月会合となる可能性もある。

日銀では、こうした需給ギャップの改善による実際の物価の上昇を通じて、インフレ期待も高まっていくとみている。

ただ、足元の消費者物価(除く生鮮食品)は4月に前年比0.3%上昇と日銀の想定よりも弱めで推移している。

それでも目標とする物価2%に向けたモメンタムは維持されていると判断しており、会合では、短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度の目標に誘導する現行の金融政策を据え置く見通しだ。

(伊藤純夫 木原麗花 編集:田巻一彦)