モンスター上司のなかにはX氏のように未成熟な自己愛の持ち主も多いようだ。生い立ちに同情する部分はあるが、攻撃される方はたまらない。

 では、どうすれば彼らの攻撃をかわせるのだろうか?

「中小企業なら、嫌ならばやめてしまうケースがいちばん多いですね。ところが大企業だと“せっかく入社できたのだし”と頑張ってしまうので問題です」

 大企業にはバブル時期に膨大な利益を上げた実績があり、終身雇用も根強く残っている。そこにクラッシャー上司が巣くう隙ができてしまうという。

 松崎氏は終身雇用型の日本の企業のあり方も問題だと指摘。欧米のようなジョブ型社会構造になれば、職場を変えることでクラッシャー上司から逃れることも容易になると説いているが、それにはまだ時間がかかりそうだ。

 しかも、クラッシャー上司には成績を上げることに秀でている人が多い。仮にクラッシャー上司を解雇すれば、一時的に企業の売り上げが下がることも考えられるという。

「ポイントになるのは、中長期的な視点で見た場合、優秀な部下をつぶされることによる損失と、その部下が健康で仕事をして生み出すであろう利益のどちらが上回っているかで判断すべきだということです。クラッシャー上司は確実に若手のエース級人材をつぶしてしまうので、会社が存在を許さないようにするべきです」

 企業がその手段を取れず、不幸にしてクラッシャー上司の部下になってしまった場合は、相手が精神的に未成熟であると思いながら、会話の中でうまく受け流すしかない。話を途中でそらすのも手だ。

 今、まさに追い詰められている人がいるなら、すぐに休職や退職をしてまず目の前のクラッシャー上司から逃げることだ。そして落ち着いてからしかるべき機関に相談すればよい。まずは、心身の健康を取り戻すこと。上司につぶされて自慢のネタにされるなぞ、冗談では済まないのだ。

(梅田勝司)

dot.より転載