[東京 8日 ロイター] - 日銀の岩田規久男副総裁は8日の参院財政金融委員会で、大規模な金融緩和を縮小する「出口」局面での日銀財務への影響について、複数のシナリオでも具体的なシミュレーションを現時点で示すことは難しいと語った。

藤巻健史委員(維新)の質問に答えた。

金融緩和からの出口局面では、当座預金の超過準備に対する付利を引き上げることが想定され、大量に保有する低利の長期国債との間で逆ざやが発生し、日銀財務が悪化することが懸念されている。

市場では出口における日銀財務への影響について、シミュレーションを早期に公表すべきとの声も根強い。岩田副総裁は「出口の際に日銀の収益がどうなるかは、将来の経済・物価・金利情勢に加え、(出口の)手段と順序によって大きく変わり得る」とし、「現時点で具体的なシミュレーションを示すことは、複数のシナリオを用いる場合でも、かえって混乱を招く恐れがあり、難しい」と慎重な考えを示した。

そのうえで、金融政策運営が日銀財務に与える影響をわかりやすく説明することは重要とし、説明責任を果たしていく考えを示した。

また、大規模な国債買い入れを進めている中で、仮に全年限にわたって金利が1%上昇した場合、2017年3月末時点の保有国債の時価減少額(訂正)は24.6兆円になると説明。2%上昇なら44.6兆円、5%の場合は88.3兆円の時価減少額(訂正)になると語った。

もっとも日銀は会計上、保有国債の評価方法について償却原価法を採用しており、時価の変動が損益に反映されることはないことも合わせて説明した。

*本文5段落目の含み損を時価減少額に訂正します。

(伊藤純夫 編集:吉瀬邦彦)