なぜ、あの人は誰とでもうまくやれるのか?
あなたのまわりにも、人間関係を築くのが上手な人がいるのではないでしょうか。成功と幸福に必要なのは、知性や学歴、体力ではなく、「人とどれだけうまくかかわることができるかである」と言われています。この連載では『慕われる人の習慣』の著者であり、全米セールスマン・オブ・ザ・イヤーを獲得したレス・ギブリン氏による「人に慕われる技術」のシンプルな実践方法を紹介します。

「誰とでもうまくやれる人」だけが知っている、あまりにも単純な人間関係のカギPhoto: Adobe Stock

あまりにも単純明快な人間的魅力のカギ

 すべての人が自分を重要な存在として扱ってほしいと願っている。
 重要感を持たせると、人は喜んで動いてくれる。
 重要感とは、自分が重要な存在だと感じることだ。
 相手を立てると、相手はあなたを好きになる。
 ところが、「私が、私が……」と自分のことばかり主張すると、相手はひいてしまう。
 自分を前面に出すと、相手に重要感を持たせることができないから、相手はあなたを避けようとする。

 しかし、相手に重要感を持たせると、相手の自尊心を高めることができる。誰にとっても、自尊心はきわめて大きな意味を持っている。
 その理由は、すべての人が「自分は重要な存在だ」と感じたがっていて、誰かに大切に扱われると、自尊心を高めることができるからだ。

 人々が自分の気分をよくさせてくれる人に好意を抱くのは不思議ではない。
 実際、相手の自尊心を高めることが、人間的魅力のカギなのだ。なんと単純明快なことだろうか!

相手の自尊心を高める6つの習慣

 では、どうすれば相手の自尊心を高めることができるだろうか?

1 相手の話にしっかり耳を傾ける

 話を聞くことは、相手の自尊心を高めるための最高の方法である。
 相手の話に耳を傾けると、相手が重要な存在だから話を聞いているのだと思わせることができる。
 つまり、相手に敬意を示し、意見を尊重していることを知らせているのだ。
 当然、これは相手を喜ばせるから、相手の自尊心を高める。その結果、相手はあなたに好意を抱き、あなたの言うことをよく聞く。
 たいていの場合、あなたがじっと相手の話を聞いているだけで、相手はあなたに好意を抱く。逆に、相手の話を聞かないなら、相手は大切に扱われていないと感じる。誰もが「自分は重要な存在だ」と感じたがっていることを思い出そう。

2 相手をほめる

 人はみな自分が称賛に値すると思っているとき、ほめてもらうのが大好きだ。
 社会学者によると、それはすべての人を駆り立てる基本的欲求だから、誰もが自分をほめてくれる人に好意を抱くのは当然だという。

 これは自然な反応であるだけでなく、もっと大事なことがある。
 多くの人は日常生活でほめられることがめったにないのだ。
 しかし、それはその人にほめられるだけの価値がないからではなく、相手を称賛する気持ちを誰も言葉で伝えようとしないからだ。
 ほとんどの人は自分のことばかり考えているから、相手のことをあまり高く評価していない。人々の会話をよく聞けば、相手をめったにほめていないことに気づくはずだ。

「人に慕われる技術」にたけた人は、何かを求める際に、まず心を込めて相手をほめてから要望を伝えるように心がけている。
 このやり方はつねに功を奏する。これこそが人間関係の極意である。

3 相手の名前をできるだけ頻繁に口に出す

 相手の名前を会話の最初の数分間に10回ほど言って、相手とのつながりをつくろう。
「やあ○○君、今日の調子はどう?」
「○○君、会えてうれしいよ」
「どうぞ座ってください、○○さん」
「○○さん、とても元気そうだね」
「○○君、ご家族のみなさんはお元気?」
 おわかりだろうか。
 私たちはみな単なる集団の一部としてではなく、個人として大切に扱われたいと願っている。
 私たちを一人の個人と感じさせてくれるものといえば──自分の名前だ。

 相手の名前を言う場合と言わない場合の違いに注目しよう。

 おはよう。 ➡ おはよう、○○君。
 ありがとう。 ➡ ありがとう、○○さん。
 どういたしまして。 ➡ どういたしまして、○○君。

 人は自分の名前を見聞きすると、大切に扱われていると感じる。
 だから、人は机の上にネームプレートをおいたり、イニシャル入りのキーホルダーを持ったりするのである。

 何かを話すときは相手の名前を言い、会話のなかでも相手の名前を何度も繰り返そう。

4 相手の質問に答える前に少し間(ま)をおく

 誰かが質問してきたとき、それに対して答える前に数秒間だけ間をおこう。
 これは心理的に絶妙な効果があり、繊細な力学が働く。
 答える前に少し間をおくと、相手の自尊心を高めることができる。相手の質問をじっくり検討しているという印象を与えて、相手を立てることができるからだ。
 逆に、すぐに答えると、それとは正反対のことをしてしまう結果になる。相手の質問を十分に検討していないという印象を与え、相手を軽んじることになるからだ。必ずそうなるとはかぎらないが、そんな危険をおかす必要はない。

 数秒間、間をおいてから自分の意見を言うことは、相手の言っていることに耳を傾け、相手を尊重していることを伝えるためのすぐれたテクニックである。

5 相手を待たせていることに配慮する

 相手を待たせていることに配慮している気持ちを伝えよう。
 すぐに折り返し電話をするか返信を書こう。
 もし自分に決定権がないなら、電話か手紙かメールで途中経過を説明しよう。
 相手を気づかうとき、あなたは相手を重要な存在とみなしている。
 人は自分を気づかってもらっていることがわかると、信頼を寄せてくれるものだ。

6 相手の話をする

 自分のことばかり話していると、相手を軽視しているような印象を与えてしまう。一方、相手の話をすると、相手に重要感を持たせ、その人の自尊心を高めることができる。

 人間の欲求の最大の特徴は「自己保存」だが、次に大きな特徴は「重要な存在でありたい」という欲求だ。だから、相手に重要感を持たせれば持たせるほど、相手はあなたを好きになり、快く対応してくれる。