正田連載
「P-smart ケータイ P-01J」

 電話として使うならフィーチャーフォン(いわゆるガラケー)の使い勝手が一番だ。

 折りたたみ型なら最適な場所にあるスピーカーやマイク、そして物理ボタン。しかも片手操作の簡単な小さいサイズ。電話はもちろん、ちょっとしたメールの読み込みも簡単に済んでしまう。あらためて使ってみると非常に便利なのだ。

正田連載
テザリング利用時は左上に電波を発射している風のアイコンが表示される

 デザリングが使えれば、通話とデータ通信の出入り口となり、Wi-Fi版のタブレットやPCがあっても、モバイルは1回線だけですべてまかなえて便利そうだ。使い方にもよるが、スマートフォン依存が高くない人ながら、これでも大丈夫そうだ。

 OSにAndroidを搭載したLTEフィーチャーフォンは以前にもあったが、ドコモから2016年に「P-smart ケータイ P-01J」「AQUOS ケータイ SH-01J」の2機種が登場した。

 そして、内部ソフトの更新によってテザリング対応した今、まさに、格安SIMで使える便利なフィーチャーフォンとなった。今回はP-01Jを実際に使ってみた。

格安SIMで使え、おサイフケータイもWi-Fiルーターにもなる!

 格安SIMで使える同様のフィーチャーフォンは、格安SIM事業者の販売端末にも同様のSIMフリー機があったが、ドコモから出ているものは、おサイフケータイに対応しているなど、機能面で有利な点もある。

 回線契約を伴う新品購入では、3万円を超える価格だが、格安SIMで使う上で入手しやすいのは、中古店に並ぶ未使用の中古品。

 現在の相場は1万5000円ほどで、同様のSIMフリー機よりも安いこともある。

 そして、ドコモのネットワーク接続の安定性という意味では、ドコモブランドの安心感は大きい。ドコモ機を中古購入してしまうと原則、SIMフリー化はできないが、ドコモのネットワークを使った格安SIMならSIMロック状態でも問題なく使えるため、大きな問題はないだろう。

 最近のドコモ機は、以前のように格安SIM利用時にテザリングができないことはない。つまり、通話ができるほかに、モバイルルーターとしても使えるのだ。

正田連載
メニューのうち、LINEなどの機能は「ツール」に、テザリングは「設定」にある

おサイフケータイやLINEもOK、Wi-Fiで通信量も控える

 ドコモのLTEフィーチャーフォンのOSはAndroidベースだが、タッチパネルがなくPlayストアに対応しないなど、Androidスマホと比べてだいぶ制約がある。

 そのため、(解決方法がないわけではないが)アプリはプリインストールのものだけを使うことが原則となる。

正田連載
モバイルSuicaに対応

 おサイフケータイのアプリはプリインストールされ、アプリの更新にも対応している。タッチ操作ができない点は使いにくいところだが、上下左右のキーでなんとか操作できる。

 実際に、ほかのスマートフォンからP-01JのモバイルSuicaにデータを移してみたが、問題なく動作し、改札口も無事通過できた。

正田連載
LINEにも対応する

 LINEのアプリでは上下左右キーでカーソルを動かすということを強いられるので、少し使いにくいが、無料通話もビデオ通話も可能。多少の遅延があるにせよ、LINEの無料通話をフィーチャーフォンで時間を気にせず通話できるということは非常にありがたい。

 上記のアプリやウェブブラウザーのほか、地図、電話、電卓などが備わっているが、それ以外はなし。

 地図や電話帳はGoogleではなくドコモのアプリなので、ドコモのクラウドサービスに保存できるが、Googleのアカウントと直接同期ができないのは残念なところ。電話帳の同期くらいはなんとか可能にしてほしい。

 一般向け機種ということは理解しているが、せっかくの小型端末なので、もっと自由にAndroidの機能を使わせてくれれば、非常に便利な端末となるはず。その点が非常に惜しい。

デザリングの実力を試す! 最大速度はちょっと物足りない!?

正田連載
テザリングのオン/オフの切り替え

 さて、注目のテザリングの実力を試してみたい。実力といっても要は速度で、データ通信に特化した単体のモバイルルーターと比べてどうなのかが問題。「P-smart ケータイ P-01J」に格安SIMを複数使って動作と速度を確認した。

 測定は、Wi-Fiで接続した「Xperia XZ SO-01J」を使い、Xperia上の速度測定アプリで計測した。

正田連載
平日午後に測定したところ

 実際にはそれぞれの格安SIMのパフォーマンス次第となるが、「OCN モバイル ONE」と「mineo」(ドコモ)、「IIJmio」の測定結果のなかでは30Mbpsを記録したものもある。

 P-01Jの無線LANはIEEE 801.11b/g/n対応でMIMO非対応という仕様なので、快適に利用できる速度は出ていると言えるが、もう少し最大速度が出てもいいような気もする。

 速度を計測したのは3つのSIMのみだが、LINEモバイル、楽天モバイル、イオンモバイルなども試している。音声通話対応のSIMもデータのみ、SMSなしのSIMでも特に問題なく利用できた。

正田連載
バッテリーの容量は1800mAh
正田連載
充電は汎用的なmicroUSBでできるほか、付属のクレイドルからも可能

 また、テザリングによるバッテリー消費は、動画配信サービスを見てヘビーに使えば連続3~4時間といったところ。

 テザリングで接続しておいて、資料作りでネットからたまにデータを取得する程度なら5時間近く経過したところで電池残量は目盛り5つのうちの1つになった。連続して使わなければ、なんとか1日データ通信ができて、通話待受もできそうだ。

 速度も電池の持ちもほぼ問題ないことが確認できたが、気になったのは、テザリングをオンする方法。

 メニューから[設定]→[外部接続]→[テザリング]という手順で項目を選ぶことになるが、それぞれの項目のなかでもデザリングまでは下矢印キーを連打しないとたどりつけないため、さっとテザリングをオンすることはできない。

正田連載
I~IIIまでの「マルチワンタッチボタン」はよくかける電話番号のほか、機能も割当可能。しかし、直接テザリングは指定できない

 P-01JにはI~IIIまでの「マルチワンタッチボタン」(ショートカットキー)があるが、これの登録は[設定]までなので、あまり手順のショートカットになっていない。

アプリはないが、使い方次第で便利なケータイ

 P-01Jは安定した通話性能、コンパクトさ、比較的低価格の入手など、便利な点は結構ある。筆者が考える問題点といえば、GmailなどGoogleのサービスが簡単に利用できないことと、テザリングをオンにするときの面倒さだ。

 テザリングオンの手間はともかく、コミュニケーションはLINEが主で、ほかはタブレットやPCを使い、音声通話端末とモバイルルーターだけあればいいというのであれば、P-01Jを使う価値は十分。Gmailはウェブブラウザーからなんとか利用できる。

 格安SIMでフィーチャーフォンを使いまくりたいなら、最新のドコモのLTEフィーチャーフォンは検討すべきだろう。