医療

診療所では、
コンパクトな複合機に需要が

業種向けソリューションの「医療」分野では、ブラザーのコンパクトでコストパフォーマンスに優れた製品のクロスセルが推進されている。

 クリニックなど小規模な医療現場でブラザー製品が多く使われているのは、コンパクトで、コストパフォーマンスに優れているという特徴があるからだ。会場では、さまざまな製品のメリットを打ち出しながら、利用場面に合わせたソリューションを提案。

 例えばクリニックの受付では処方箋や領収書、明細書など患者さまに渡す書類の印刷が必要になるが、そこで重宝されるのが狭いスペースにも設置できる、モノクロレーザープリンターやカラーレーザー複合機だ。

 同様に、診察室でも邪魔にならないコンパクトサイズの機器が必要とされる。いずれの場合も、長く使える高耐久性も魅力になっている。

クリニックの受付では、耐久性の高いコンパクトでコストパフォーマンスに優れた複合機やプリンターが好まれる(左)、診察室はコンパクトサイズのプリンター(右)

 また、検査室では臨床検査時に、検体ラベルを発行する感熱ラベルプリンターを展示。手書きからバーコードラベル発行にすることで、検体の取り違えを防ぐ取り組みを紹介。

臨床検査時には検体に添付するラベルを手書きからバーコードにすることで医療過誤を防止する

講演 [コンサルティングの現場から]

IT化が遅れる医療の現場で、
ソリューションへの期待は大きい

大西大輔
2001年一橋大学大学院MBAスクール卒業。 医療コンサルティング大手の日本経営グループを経て、16年より医療ITコンサルタントとして独立。 MICTコンサルティング代表。

 「Brother World JAPAN」では、MICTコンサルティングの大西大輔氏による特別講演も行われた。テーマは「医療業界におけるプリンティングソリューション。その現状と未来」。

 その中で大西氏は「電子カルテの実験的開発が始まったのが2000年前後で、医療業界は他業界に比べてIT化が5〜10年遅れていると言っても過言ではない」と、ICT化の進展が遅れている現状を説明した。特に小規模な診療所での電子カルテシステムの普及率は低く、17年でようやく50%に達する見通しだと報告。

 とはいえ、医療現場ではレセプト(診療報酬明細書)などを作成するコンピュータ(レセコン)の導入は必須で、問診票や紹介状、カルテや検体ラベル、処方箋や領収書、明細書など、まだまだ紙の必要性は高い。そのため医療現場では、プリンターは大変重要なソリューションであると主張。

 さらに「超高齢社会を迎えている日本では、これから医療の中心は外来医療+入院医療から“在宅医療”へのシフトを余儀なくされる。在宅医療の現場では、性能の良い持ち運びのできるモバイルプリンターが必要になる」と新たな需要も指摘した。

会場で紹介された事例

習志野台整形外科内科

ヒトの動線を意識してプリンターを選定、
狭い受付を快適に

 千葉県船橋市にある習志野台整形外科内科は、医療ICT の活用において先進的な取り組みを行っているクリニック。もともと大型の複合機を使用していたが、受付に置くことができずバックヤードに設置していた。そのためファクスの受信に気付かない弊害もあり、受付内に置けるサイズの複合機を探していた。

 複数の複合機を比較して、条件に合致したのがブラザーのカラーレーザー複合機(MFC-9340CDW)だ。コンパクトな製品サイズで、5センチスペースが確保されるだけでも、 スタッフが作業しやすく、快適だという。

 また、同クリニックでは診察券忘れや紛失の予防のため、患者の持参物にQR コードを貼るだけで診察券になる仕組みを考案。そのQR コードの発行にブラザーのラベルプリンターを利用している。