[東京 11日 ロイター] - 防衛省は東南アジア諸国への装備輸出を進めるため、各国の国防当局者を集めて15日に会議を開く。日本は装備輸出を通じ、中国が影響力を強める南シナ海沿岸国の能力強化を目指しているが、これまでに実現した案件は、フィリピンに中古の練習用航空機を貸与した程度。会議で各国から具体的な要望を聞き、需要を掘り起こしたい考え。

防衛省関係者によると、会議にはフィリピン、ベトナム、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシアの当局者が出席を予定。12日から千葉市(幕張)で始まる海洋安全保障の装備展示会「MAST 2017」の機会を利用する。

防衛省は装備の供与だけでなく、維持管理の手法や訓練も合わせて提供可能なことを説明する一方、参加各国が直面している安全保障上の課題を聞くなどし、要望を探る。自衛隊の中古装備を無償で譲渡できるようになったことも説明する見込みだ。

日本は2014年4月に武器の禁輸政策を転換し、一定の条件を満たせば輸出を認める防衛装備移転三原則を導入した。南シナ海で中国と領有権を争うフィリピンやベトナム、中国が接近するタイなどに装備を輸出する可能性を探ってきた。

だが、東南アジア向けの目ぼしい案件は、海上自衛隊の中古練習機「TC-90」を警戒・監視用としてフィリピンに輸出したことぐらい。

しかも日本の法律上の制限から、無償譲渡ではなく有償での貸与にとどまった。東南アジア諸国からは対潜哨戒機やレーダーなどを求める声もあるが、実現には至っていない。

(久保信博、ティム・ケリー 編集:田巻一彦)