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日本を元気にする新・経営学教室

フランチャイズ制のもとで
全体の利益を最大にするロイヤルティのあり方とは
京都大学大学院経営管理研究部教授 成生達彦

内田和成 [早稲田大学大学院商学研究科教授],成生達彦 [京都大学大学院経営管理研究部教授],平野光俊 [神戸大学大学院経営学研究科教授],髙木晴夫
【第24回】 2011年7月18日
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 近年、コンビニエンス・ストア(以下ではCVSと略す)をはじめとする小売やサービス・外食産業では、フランチャイズ制が主要な販売形態となっている。実際、我が国には千を超えるフランチャイズチェーンがあり、加盟店の数は約40万店に達している。

ビジネスフォーマット

 フランチャイズ制のもとでは、本部は加盟店にたいして自らの商標などを使用して事業を行なう権利を与え、その経営を指導するとともに、原材料や商品を供給する。この際、本部は取り扱う商品や仕入れ先を推奨すると同時に、推奨小売価格を提示するが、加盟店は(少なくとも契約上は)品揃えや小売価格を、自ら決定できることになっている。これらの対価として加盟店は、商品の仕入れ代金に加えて、加盟金(フランチャイズ料)やロイヤルティなどを本部に支払っている。

 かつては自動車のディーラーやガソリン販売に見られるような「商品・商標」にもとづくフランチャイズ制が主流であったが、近年ではCVSや外食産業に典型的な「ビジネスフォーマット」にもとづくフランチャイズ制が多くなっている。このタイプのフランチャイズ制では、本部と加盟店が果たすべき役割が契約に明記されており、ビジネスフォーマット(マニュアル)に従って、各々が努力することが謳われている。

 多くの場合、商標広告や商品開発などは本部の役割であり、店頭でのサービスの提供は加盟店の役割である。これらの役割を遂行するために、本部と加盟店はコストを負担しつつ努力することが義務づけられている。

 双方の努力は販売量を増やし、

 全体の粗利益=(小売価格-生産者からの仕入れ価格)×販売量…(1)

 を増加させる。ここで販売量は、本部と加盟店が努力をすれば増加するし、小売価格が高くなれば減少する(以下では特に断らない限り、販売量は、双方が努力した状況におけるものとし、小売価格が上がれば減るものとする)。

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内田和成(うちだ かずなり) [早稲田大学大学院商学研究科教授]

東京大学工学部卒、慶應義塾大学経営学修士(MBA)。日本航空を経て、1985年ボストンコンサルティンググループ(BCG)入社。2000年6月から04年12月まで日本代表。09年12月までシニア・アドバイザーを務める。BCG時代はハイテク・情報通信業界、自動車業界幅広い業界で、全社戦略、マーケティング戦略など多岐にわたる分野のコンサルティングを行う。06年4月、早稲田大学院商学研究科教授(現職)。07年4月より早稲田大学ビジネススクール教授。『論点思考』(東洋経済新報社)、『異業種競争戦略』(日本経済新聞出版社)、『スパークする思考』(角川書店)、『仮説思考』(東洋経済新報社)など著書多数。ブログ:「内田和成のビジネスマインド

 

成生達彦(なりう たつひこ) [京都大学大学院経営管理研究部教授]

1952年生まれ。78年横浜国立大学大学院経済学研究科修士課程卒業、81年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修学、89年米国ノ-スカロライナ州立大学大学院卒業(Ph.D.)、81年南山大学経営学部に就職、94年に教授、同年京都大学博士(経済学)、98年京都大学大学院経済学研究科教授、2006年京都大学大学院経営管理研究部教授、2008年~09年京都大学大学院経営管理研究部研究部長。主著に『ミクロ経済学入門』など。

平野光俊(ひらの みつとし) [神戸大学大学院経営学研究科教授]

1980年早稲田大学商学部卒業、94年神戸大学大学院経営学研究科修士課程修了、98年同大学院博士課程修了、博士(経営学)、2002年から同大学院助教授、2006年から現職。経営行動科学学会会長、日本労務学会常任理事、日本労働研究雑誌編集委員。主著に『日本型人事管理』中央経済社。


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好評だった経営学教室の新シリーズ。新たな筆者お二人を迎えて、スタートする。国内市場は成熟化する一方、グローバル化は急速に進展し、新興国の勃興も著しい。もはや、自ら新たな目標を設定し、ビジネスモデルを構築しなくてはいけない時代に突入している。日本企業に漂う閉塞感を突破するには、何がキーとなるのか。著名ビジネススクールの気鋭の教授陣が、リレー形式で問題の所在を指摘し、変革のヒントを提起する。

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