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経営者は「攻めのIT投資」をどう捻出し、
評価していくか

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第69回】 2017年6月16日
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イノベーション予算枠を確保する

 攻めのIT投資に向けた新たな投資管理のあり方に関して、まずは、予算取りについて考えてみよう。

 既存企業が新規の取り組みを推進する際には、社内の慣行やルールを一部打破したり、特別な対応が求められたりする場合がある。従来の進め方やルールに忠実に従っていると、事業化のスピードが阻害されたり、外部の柔軟な活用が進まなかったりするためである。これに対して、昨今では社内にイノベーション特区を設けるべきという意見が出てきている。イノベーション特区には、予算や各種社内プロセスに関して、例外的な対応や権限が与えられる(本連載第53回「『社内特区』の設定で新事業への挑戦をはじめよう」 )。

 IT投資に関してもイノベーション特区の考え方を取り入れることが有効となる。社内の稟議ルールに則っていたのではイノベーションに重要な「最初のひと転がり」を回すことが困難となったり、柔軟な軌道修正が行えなかったりするためである。一定の予算枠を設定し、その範囲であれば自由に裁量できる権限を推進者に与えておくことが推奨される。特定の技術を調査研究したり、ITベンダーと共同でPoC(仮説検証)を行ったりするにおいても、一定の予算がないために始められないということは避けたい。また、事業部門などでアイデアやビジネス機会があるにも関わらず、従来の稟議に則って予算を通すことができずに眠ったままとなっている案件があるかもしれない(図3)

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内山悟志
[ITR会長/エグゼクティブ・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。2019年2月より現職。


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日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

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