経営×ソーシャル
ソーシャルメディア進化論2017
2017年6月27日
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武田 隆 [クオン株式会社 代表取締役]

インフルエンサー・マーケティングはなぜ失速したのか

【丸岡吉人氏×武田隆氏 対談2】

ソーシャルメディアの黎明期、マーケティング担当者たちは「インフルエンサー」と呼ばれる人たちにいち早く着目した。彼らの強い発信力をもってすれば、従来マスメディアが担っていた役割を、ソーシャルメディアが代替することができるのではないかと考えたのだ。しかし、その試みは思ったほどうまくはいかなかった。その理由を、「マスメディアとソーシャルメディアには大きな違いがあったからだ」と電通総研所長の丸岡吉人氏は説明する。果たしてその違いとは?

ウェブの世界では
おもしろくないと拡散されない

丸岡吉人(まるおか・よしと)
株式会社電通 電通総研所長。1958年広島県呉市生まれ。1984年東京大学大学院修士課程(社会心理学)修了、電通入社。これまでに、クライアントサービス部門(営業部署、コミュニケーション戦略立案部署)、研究開発部門、ビジネス開発部門に勤務した。研究開発部門では、ブランディングやメディアプランニングに関する電通のツールやメソッド、データベース、業務用ソフトウェアの開発を担当した。2016年7月から、電通デジタル代表取締役社長(兼)チーフオペレーティングオフィサーを務め、2017年3月より現職。中央大学ビジネススクール客員教授。『広告心理』(共著、2007年、電通)で、2008年日本広告学会賞を受賞。

武田 ソーシャルメディアが出てきた当時、企業のマーケティング担当者はインフルエンサーと呼ばれる人に商品やサービスを広めてもらおうとした、という話がありました(前回記事「電通総研所長に聞く、ソーシャルメディアはマーケティングをどう変えたのか」参照)。しかし、それは思ったほどうまくいかなかった、と。なぜだったのでしょうか。

丸岡 それを説明するには、まず広告のコミュニケーションをメディアとコンテンツに分けて考えるところから始めましょうか。

 例えば、30秒のCMというコンテンツを、あるテレビ局が30分の番組中に流して伝える。新聞で言うと、写真と文章でできた広告というコンテンツを新聞というメディアが、全面見開きの紙面を使って伝える。

 コミュニケーションは媒介するメディアと、内容であるコンテンツの2つでできている。もしも、企業が制作したコンテンツをインフルエンサーに拡散してほしいと考えるならば、インフルエンサーはその区分けで言うと、メディアのほうなんです。

武田 私がソーシャルメディアのアカウントで丸岡さんのインタビュー記事を拡散するとき、私はテレビや新聞のようなメディアの役割を担っているということですね。

丸岡 そういうことです。そして、たぶん広告業界の人がインフルエンサーに期待したのは、インフルエンサーがコンテンツを発信してくれたら、それがブワーッと広まることだったんです。

武田 そうすると、マスメディアを使ったときと同じように広まると?

丸岡 でも、マスメディアとソーシャルメディアには大きな違いがありました。マスメディアは強制的に目に触れさせる・耳に入れる、ということがある程度できます。テレビとラジオに関して言うと、CMに切り替わった途端にスイッチを切る人はほとんどいませんから、半強制的に広告に触れてもらうことができるでしょう。



武田 隆(たけだ・たかし) [クオン株式会社 代表取締役]

日本大学芸術学部にてメディア美学者武邑光裕氏に師事。1996年、学生ベンチャーとして起業。クライアント企業各社との数年に及ぶ共同実験を経て、ソーシャルメディアをマーケティングに活用する「消費者コミュニティ」の理論と手法を開発。その理論の中核には「心あたたまる関係と経済効果の融合」がある。システムの完成に合わせ、2000年同研究所を株式会社化。その後、自らの足で2000社の企業を回る。花王、カゴメ、ベネッセなど業界トップの会社から評価を得て、累計300社のマーケティングを支援。ソーシャルメディア構築市場トップシェア (矢野経済研究所調べ)。2015年、ベルリン支局、大阪支局開設。著書『ソーシャルメディア進化論』は松岡正剛の日本最大級の書評サイト「千夜千冊」にも取り上げられ、第6刷のロングセラーに。JFN(FM)系列ラジオ番組「企業の遺伝子」の司会進行役を務める。1974年生まれ。海浜幕張出身。


ソーシャルメディア進化論2017

花王、ベネッセ、カゴメ、レナウン、ユーキャンはじめ約300社の支援実績を誇るソーシャルメディア・マーケティングの第一人者、クオンの代表取締役 武田隆氏が、ダイナミックに進化し続けるソーシャルメディアの現在と未来に独自の視点から迫る!

「ソーシャルメディア進化論2017」

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