3・11を踏まえた新たな人と組織で
法案の見直しを進めていくべき

 冒頭、法案可決が最優先と述べた。

 とはいえ、一つだけ気になる点がある。送電に関連する「第五条但し書き二」に書かれた以下の条文だ。

「当該電気事業者による電気の円滑な供給の確保に支障が生ずるおそれがあるとき」

 つまり、既存の電力会社が安定供給に支障が生じると「判断」すれば、買い取らなくてもよいと書いてある。この但し書きは削除するのが望ましい。

 なぜこのような但し書きが挿入されたのか。

 それは、この法案が東日本大震災が起こった「3・11」以前に書かれたものだからである。こうした3・11以前の力学が反映された考えは、ぜひとも取り除いていかなければならない。

 同じことは、議論の主体についても言える。政省令の制定に向けた議論が、3・11以前と同じ「人」、同じ「場」によるものでいいのか。経産省には、依然として電力擁護・自然エネルギーに消極的な立場を取る人が多いため、普及させようという意欲が削がれる恐れがある。

 こうしたことを含め、3・11を踏まえて新たに立ち上げた組織と人によって、自然エネルギーの普及を担っていく必要があるだろう。