取付工事が簡単な
直管形LEDランプ

 ところで、すでに一般家庭にも普及し始めたLED電球に対して、蛍光灯タイプの直管形LEDはまだなじみが薄い。それは、仕組みが単純な電球タイプの照明器具とは異なり、蛍光灯タイプはさまざまな方式(インバータ方式やラピッドスタータ方式など)が存在するからだ。それぞれに異なる安定器が用いられているので、単純に蛍光灯部分を交換というようには、いきづらいのだ。

電源モジュール等すべて直管に内蔵のため、一端を接続すれば点灯。
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 そこで、ロームは直管形LEDの内部にAC/DCコンバータなどの電源モジュールをあらかじめ組み込んだ一体型の製品を開発。これによって、ごく簡単な工事で既存の蛍光灯から直管形LEDへの切り替えが可能となっている。

 「もともとの蛍光灯照明器具に付いていた安定器などを取り外す手間もなく、工事にかかる時間も大幅に短縮できます。また従来、安定器やインバータなどの寿命は8~10年程度で、交換せずに使い続ければ故障や事故が発生しかねませんでしたが、その点に関する心配も一体型の場合は無用です」(永島課長)

 また、蛍光灯照明器具に取り付けられるのも利点の一つだ。チップからドライバLSI、電源モジュールなどまで一貫して手がけている強みを生かし、格段に低い消費電力を実現。それでいて光や色調にムラが生じず、ちらつきも感じられないのだ。

 白熱電球と比べると蛍光灯は消費電力が低く、耐用年数も長いことから、従来の直管形LEDなら、目立った省エネ性能を実感しづらかったのも事実。しかし、ロームの直管形LED(節電タイプ)なら、昨今の電力事情下ではよく見られる、蛍光灯の間引きよりもいい照度を維持しつつ、約70%もの省エネ効果が得られる(下図参照)。これは大いなる前進と言えよう。

直管形LED照明の特長と、省エネ効果 1フロア(18m×18m)に2灯用を36台ずつ設置、5階建てのビルを想定。年間3000時間点灯、電気代22円kWhで試算すると、従来の蛍光灯と比べ、約70%の節電効果が見込めた。