COLUMN II
「住宅まるごと」提案する販売店
5000店舗に拡大へ

 中国で不動産を買うと、内装なしの状態で引き渡されるのが一般的。購入者自身が照明や内装を買い揃える場として、専門販売店を集めた「灯飾城」「建材城」が存在する。
 

広州市のパナソニック専売店で店長を務めているリ・ジンソン氏

 基幹専売店は、昨年から標準的な店舗面積を従来比1.5倍の100平方メートルに広げた新型店への改装を進めている。商品の品揃えも充実させ、「家1軒分まるごと」展示しているのが特徴だ。リ・ジンソン店長は「新型店にしたことで売り上げが2倍に増えた」と語る。他店と比べて価格は高めだが、品質やブランドを重視する客が指名買いに訪れる。パナソニック電工中国の刘洋 (リウ・ヤン)高級営業企画代表は「製品のよさを伝えるため、店舗の施工品質も厳しくチェックしている」と強調。店舗には松下幸之助の書籍などが配られ、スタッフにも経営理念の共有が図られている。

 パナソニック電工中国で戦略企画を担当する上田丈寛部長は、「浴室照明に防水性のない製品を買い、漏電した体験を持つ消費者も多い。消費者が成熟していないということ。品質への要求が高まれば当社に有利になる」と語った。