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7月1日、1974年以来37年ぶりに電力使用制限令が発動した。企業などの大口の電力使用者には15%の節電が義務付けられ、違反者には100万円以下の罰則が科される。それほど節電は切実な問題になっているのだ。企業としては、この状況にどう対応するべきなのか、傾向と対策を考えてみたい。

省エネ推進の一方で
増えるオフィスのエネルギー消費

 今回の電力使用制限令の発動は、東日本大震災後の電力不足を受けたもので、罰金の有無にかかわらず日本全体での協力体制が欠かせないのは言うまでもない。その重点分野の一つとして位置づけられているのが、オフィスの省電力化だ。しかし、オフィスで働く人たちにとっては、何か“狙い撃ち”にされている感じを否めないのではないだろうか。

 そもそも省電力化は、省エネルギー対策の一環であり、今回の震災で突然浮上してきた課題ではない。石油、石炭など化石燃料を主体とする一次エネルギーは電力という二次エネルギーの源であり、電力消費が増えるにつれて、化石燃料も必要になる。多くの局面で、化石燃料、特に石油に頼っている日本経済にとって省エネルギー化は、経済の安定化と国際競争力の強化に欠かせないものなのである。

 では、省エネルギー化はどう進められてきたのか。経済産業省資源エネルギー庁がまとめている「エネルギー白書」では、産業部門、民生部門、運輸部門の三つの部門に分けてエネルギー消費の統計を発表している。産業部門とは、製造業、農林水産業、鉱業、建築業の合計であり、民生部門は、家庭部門とオフィスやビル、ホテル、百貨店などの業務部門を合わせた部門である。

【図1】
製造業と業務部門のエネルギー消費指数の推移
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 2008年度までをまとめた「エネルギー白書2010」によると、依然として製造業のエネルギー消費が全体の約4割を占めているものの、第一次オイルショックがあった1973年度を100としたエネルギー消費指数は、GDPが2倍以上になった2008年度でも90.5であり、省エネルギー化が進められてきたことがわかる(図1)。

 一方、消費全体の33.8%を占める民生部門はどうか。1973年度を100とするエネルギー消費指数で見ると、家庭部門は2008年度には208.4となり、業務部門ではなんと3倍近くの285.5となっている(図1)。民生部門のエネルギー消費の58.7%を業務部門が占めていることを考えれば、オフィスでの省電力化は、的確な施策と言えるのだ。

照明設備やOA機器の省エネが
オフィスの節電対策の要に

【図2】
業務部門の用途別消費
エネルギー
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 業務部門のエネルギー消費量の増加について、同白書は、「事務所や小売等の延床面積が増加したことと、それに伴う空調・照明設備の増加、オフィスのOA化の進展等によるもの」と指摘。また、用途別の延床面積当たりのエネルギー消費原単位の推移を公表しており、この内容を見るとエネルギーの節約の方向性が見えてくる。

 現在の業務部門のエネルギー消費を用途別で見ると、換気やエレベータなど動力と照明やOA機器が占める割合が最も多く、全体の約半分を占めている。一方で、冷房関連は1割、暖房関連が3割である(図2)。しかし、冷房関連は2004年度からほぼ横ばいで推移し、暖房関連はビルの断熱対策が進んだことや省エネルギー対策が進んだことで、減少傾向にあるという。このことからもオフィスの省電力化のカギは、照明やOA機器にあることがわかる。

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