[ワシントン/モスクワ 19日 ロイター] - 米国とロシアの緊張関係がシリア問題で高まっている。米軍機がアサド政権軍機を撃墜したことにロシアが反発し、自軍の活動区域を飛行するいかなる航空機も標的にする可能性があると警告。これに対してホワイトハウスは19日、過激派組織「イスラム国(IS)」と闘う米国主導の有志国連合は自衛権を保持していると応酬した。

ロシアは米国のアサド政権軍機撃墜決定について、ロシア軍機が付近にいたのに米国が知らせなかったと批判し、シリア上空での偶発的衝突を防ぐ米国との覚書を19日から停止すると発表した。さらにユーフラテス川以西の空域では有志国連合の航空機も標的とし、ロシア側の対空兵器や航空機で追尾すると主張した。

米中央軍の説明では、撃墜したアサド政権軍機は米国が支援するシリア民主軍(SDF)の近くに爆弾を投下していたため、集団的自衛権を行使したという。

米政府はロシア側の措置に態度を硬化し「自らを守るためにできることは何でもやる」と表明。ホワイトハウスのスパイサー報道官は「シリアで活動するさまざまな勢力間で敵意がエスカレートしていくのは、誰のためにもならない」と述べつつも、アサド政権側は有志連合に自衛権が留保されていることを理解する必要があるとくぎを刺した。

一方、ダンフォード米統合参謀本部議長は、今後のロシアとの偶発的衝突を避けるための対話再開に向けた取り組みも進めていることを明らかにした。