[20日 ロイター] - <為替> 米連邦準備理事会(FRB)が年内に再度追加利上げする可能性が意識され、ドルが主要通貨に対して上昇した。ドル/円<JPY=>は一時111.86円をつけ、ロイターのデータによると5月26日以来の高値水準となった。

ニューヨーク連邦準備銀行のダドリー総裁が19日、米労働市場が一段と改善すれば物価上昇は強まるとの見方を示したことがドルの追い風となった。

TDセキュリティーズのシニア通貨ストラテジスト、メイズン・イッサ氏は「先週のFRBはタカ派的だった。ドルが売られすぎの状態が続く中で、(市場の)反応が遅れてやってきたのではないか」と分析した。

一方で、シカゴ連銀のエバンズ総裁は19日、最近の物価上昇は弱いとして、年末まで次の利上げを待つに値すると述べ、利上げには慎重な姿勢を示した。

共和党幹部が年内の税制改革実行に関し発言したことも、米経済成長が加速するとの期待につながり、ドルの上昇要因となった。とはいえ、野党の民主党との対立に加え共和党内にも亀裂があることから依然として懐疑的な見方も多い。

主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.3%高の97.800。5月18日以来の高水準である97.871へと上昇する場面もあった。

イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁が、今は英国が利上げすべき時ではないと述べたことを受けて、ポンドは売られた。ポンド/ドルは0.9%安の1.2603ドルと2カ月ぶりの低水準をつけた。

<債券> 5年債と30年債の利回り格差が縮小し、2007年12月以来の低水準に達した。米インフレが鈍化の兆候を示す一方で、FRB高官からタカ派的な発言が相次いでいることで、中期債が長期債をアンダーパフォームする構図となっている。

ボストン地区連銀のローゼングレン総裁はこの日、米国を含め世界で実施されている低金利政策は金融安定を脅かす恐れがあるとして、中銀関係者は政策決定でこうした懸念を勘案すべきとの認識を示した。

ニューヨーク連銀のダドリー総裁も前日、引き締めサイクルを停止すれば経済を危険にさらすとし、失業率が4.3%に低下し、インフレ率が1.5%程度で推移する現在の状況は「極めて良好」と語った。

BMOキャピタル・マーケッツの金利ストラテジスト、アーロン・コーリ氏は「FRBがタカ派色を強めれば、イールドカーブのフラット化は進むだろう」と指摘。「最近の指標の内容を踏まえると、FRBは過去に比べかなりタカ派的となっている」と語った。

こうした中、シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は、足元のインフレ指標の弱含みを不安視しており、2%のインフレ目標を達成できるか懸念を強めているとの立場を示した。

5・30年債の利回り格差<US5US30=TWEB>は96ベーシスポイント(bp)に縮小し、2007年12月以来の低水準をつけた。

<株式> 主要指数がそろって反落。原油価格の急落でエネルギー株が売られたほか、アマゾン・ドット・コム<AMZN.O>のアパレル事業拡大計画を受けて小売関連株が値下がりした。

複数の主要産油国の供給が増えたとの報道で石油輸出国機構(OPEC)などによる協調減産の効果が疑問視されて原油価格が約2%下げたため、エネルギー株<.SPNY>が1.25%安となった。

一般消費財株<.SPLRCD>も1.25%下落。アマゾンが衣料品などを購入前に試すことができる新サービスを発表するとアパレル小売業の先行き懸念が広がり、関連銘柄が売られた。

取引終盤は、ダラス地区連銀のカプラン総裁が追加利上げに慎重になる必要があると発言したことで、順調な利上げにつながるほど米経済に力強さが出てくるかどうか投資家に不安が生じ、相場の下げ幅が拡大した面もあった。

レイモンド・ジェームズ・ファイナンシャルのチーフ投資ストラテジスト、ジェフリー・ソート氏によると、一部投資家はジョージア州の連邦議会下院補欠選挙の決選投票の行方を見定めようと取引を手控えたと指摘。与党・共和党候補が勝利するかどうかは、トランプ政権の成長政策実現の可否を占う試金石になるとの見方を示した。

セクター別に見ると、前日買われたハイテク株<.SPLRCT>は再び軟調で0.8%安。半面、ヘルスケア株<.SPXHC>は0.3%高としっかりだった。

<金先物> 続落。米FRB高官が相次ぎタカ派的な発言をする一方、英中銀のカーニー総裁がハト派的な発言をしたことからドル高・ユーロ安が進行。金塊などの商品に割高感が生じマイナス圏に沈んだ。

<米原油先物> 世界的な供給過剰に対する懸念などを背景に大幅続落。関係筋の話によると石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟国による5月の協調減産合意の順守率は昨年末の合意以来最高水準に達した。しかし減産を免除されているリビアとナイジェリアで増産の動きがあることが伝わり、原油相場は早朝にマイナス圏に沈んだ。